高橋一生短編集

その癖は。貝原茂平 ページ22

いつも家に帰るのは夜遅く。

総理のバカ息子と総理のお世話していたら1日はすぐ終わる。

狩屋さんも毎日疲れ切っている。

至福の時間が最近至福の時間ではなくなってしまった。


「ただいま帰りました」

『お！もーへーい。お腹すいたー！」

「食べてなかったんですか」

『私料理できませーん』

「くそガキが。こっちはあと風呂入って寝るだけなんだよ」

『あいどんとのー』

『ね？茂平！お願い！』

こうして毎日毎日彼女に負けてしまう。


「これからは食べておいてください」

『料理できないのにー。』

「返事は？」

『はいはい。分かったよー』

「おー。お利口さんですねー」

『え。茂平さ。18なめてる？』

「逆に大人なめんな」

『ごーめーんーなーさーいー』

こんなやり取りは静かな空間を明るくしてくれる。

でも至福の時間がなくなったことに対してはあまりよろしくない事だ。


『ん！茂平！ごちそーさま！食器は洗うから！美味しかったよ！寝るの引き止めてごめん！お休み！』


毎回毎回こう言ってくれるから。

「お休みなさい。それは良かったです」

甘やかしてしまうんだ。

その癖。→←佐引さん。リクエスト

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