高橋一生短編集

佐引さん。 ページ17

それから森田さんが来たら話すようになった。

あ、勿論社長が来るまで。


「へー。そうなんですね！」

「そーなんですよー。」

彼女がクスクスと小さく笑う。

小さい鈴みたいに小さく小さく。

「わたし佐引さんの事ずっと怖かったんですよね」

「は？なんで？」

「金髪だし？なんか凄く強い目線で見て来るから。」

「なんか、、、、、すいません」

「いやー。怖くないですから。今は！」

そう言った彼女がとても綺麗に見えた。

大したことを言っているわけでもないのに。

綺麗に。また鈴みたいに笑うから。




「佐引ー！あんた仕事仕事！」

「はぁ。じゃ、さよなら」

「はい！」



「えー？なんすか佐引さぁーん。恋ですか？聞いてやっても良いっすよ」

「あ？調子乗ってんな。」

「あの子を見る目がすこぉーし違いますからねぇー。」

「仕事しやがれ。」

「え？え？実際どぉーなんですかぁー？」

「加持お前まじでうぜえ。」

「きゃー。こーろーさーれーるー」







「なんだいあいつら。煩いなー。」

「賑やかで良いじゃないですか！」

「そーかい？で、何？」

「あ、すみません！あの、私、、、、、」

「あらあら。そーか。元気でね」

「はい！さよなら。また来ます！」





「こりゃ佐引も哀しむなー。笑笑」

佐引さん→←佐引さん。

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