Again (ページ24)

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〖A〗

鳥の囀り、川の音、澄んだ空気。
ここは一体どこなんだろう。

『Aっ、、、Aっ、、、行っちゃ、、、』

誰？
でも、聞いたことのある声。
だけど姿が見えない。霞がかって、、、

『A、戻ってこい！』

じゅり、、、くん？

声が出ない、息が続かない、苦しい。
でも温かい。
一体誰の手＿＿＿？

微かに感じる、香水の匂い。
これは、バニラ＿＿＿

『A？』

耳元から聞こえる掠れ声。
応えるように目を開けた。

涙目になってるじゅりくんと、棒立ちしているたいが。

『分かる？』

「(コクッ)」

何についてか、分からないけど
取り敢えず頷く。

『きょも、、、』

桃「うん、呼んでくる」

呼んでくるって何？
私、なんかされるの？怖い。

数分経って、知らない人たちに囲まれた。
じゅりくんとたいがは追い出された。

怖い。来ないでっ。助けてっ。

医「これから、チューブを抜きますので
　楽にしていてください、」

楽にしたけど
チューブがゆっくり抜かれるから、
じわじわと痛みが広がってくる。

数分も経たないうちに抜き終わったみたい
だけど、怖かった。

病院って分かってても＿＿＿

『Aーっ』

「じ、、、ゅ、、、り、、、くん、、、」

自分でもびっくりした。
夢の中じゃ、声出なかったから。

じゅりくんのハッとした顔が
少しだけ幼く見えてしまうのは
あの頃と変わらない。

桃「俺は？」

幼馴染を忘れているわけじゃない。
じゅりくんに浸りたかっただけ、笑

「た、、、いが、、、」

一瞬だけ照れていたのは気の所為だよね。

『ちゃっかりしてんな、笑』

「いいじゃん、ねぇー」

同意を求められたから笑った。
私につられて二人も笑った。
すごく愛おしい時間だった。