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スマホの画面をスクロールして
名前を探す。
“北山宏光”
通話ボタンを押せば、
回数を重ねるコール音と共に自分の心臓も
だんだんと早くなっていく。
『もしもし』
｢宏光、今どこ？｣
『今？会社出るとこだけど。
なんかあった？』
｢………会いたい｣
『…家か？車だからすぐ着く』
｢うん、分かった｣
『待ってて』
プツリと切れた電話。
緊張して、何も言えなかったけど
何か悟ったような宏光。
待っていられずにマンションの前で待つと、
宏光の車が現れた。
｢危ねぇだろ、部屋で待っとけよ｣
車から降りてきた宏光に抱き着く。
｢…A？どした？｣
一言目と違う優しい口調で
背中を撫でてくれる。
｢宏光に、会いたかったの｣
｢…なんで俺に会いたかったの？｣
｢たくさん考えて…私、前からずっと
宏光のこと、、っっ｣
早く“好き”って伝えたいのに、
塞がれてしまう唇。
2回目の、キス。
｢続きは、俺んちで聞かせて…？｣
頷くと、おいでって助手席に。
５分もしないうちに、宏光の家に到着。
｢お邪魔します…｣
脱いだジャケットを無造作に椅子にひっ掛けて
｢A、こっち｣
ってソファをポンポンしてる。
宏光の隣に座ると、
｢はい、じゃあどうぞ｣
ってこっちに身体を向けてくる。
｢えっ、何が｣
｢は？だから、続き｣
｢今言うの？！///｣
｢今でしょ！← 早く｣
｢やぁだ///絶対やだ｣
｢わたし？ひろみつのこと？｣
はいっ！て、手をマイクみたいにして
口元に近づけてくる。
｢言わないよ///こんなのやだっ｣
｢さっきまでの可愛かったAは
どこ行っちゃったわけ？｣
｢…こんな状況じゃ、言えないもん///｣
｢どんな状況だったらいいの？｣
｢それは…っ｣
｢これならいい？｣
あっとゆう間に腰に手を回されて、
ふかふかのソファに身体が沈む。
｢…宏光っ、｣
｢ん？｣
優しく見つめ返してくれる宏光に、
気持ちが溢れ出す。
｢…なに？｣
｢…………好き、｣
｢うん、｣
｢宏光、好きだよ｣
｢……………俺も｣
やっと想いが通じ合った、3回目のキス。
甘くて、深くて。
｢っ、ん、ひろ、｣
｢………ベッドいく？｣
片手でネクタイを緩める宏光が聞いてくるから
返事をした。
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作者名：mayumitsu
| 作成日時：2018年9月4日 7時
