高層ビルから落下した【文スト】

七十話，蛮勇 ページ26

アンの攻撃が、容赦無く敦君に放たれた。

それを危機一髪交わし、敦君は扉に向かって走る。



敦君が扉に鍵を差し込もうとした瞬間、森さんの叫び声が上がった。



森「少年！危ない！」

敦「え？」


急いで敦君の手の鍵を叩き落とす。鍵は転がり、モンゴメリちゃんの足元に落ちた。



モ「あら、大事な鍵をこんな風に扱って。孤児院の先生に叱られるわ」


敦「鍵でドアを開けたら勝ちじゃあないのか！」


モ「そうよ。開けられればね。

こんな鍵をどう使うのかあたしにも検討がつかないけど。」



モンゴメリちゃんが、不敵な笑みを浮かべた。




敦「Aさんの言った通りだ……始めから、勝つ方法なんてなかった…

逃げましょう、Aさん太宰さんを呼ぶんです！」





そう言って敦君は、私の腕を掴んで出口へ走り出した。




貴女「ちょっと、敦君！？」

モ「お友達を捨てて逃げる気！？」




走り出して止まらない敦君の首に、リボンが巻きつく。



森「駄目だよ少年。敵はあっちだ。」


貴女「やっと止まった…」


森「この場合での逃亡はお勧めしない。その……高が町医者の言葉を信じて貰えるのならばだが。

彼女の言葉を信じるならそのドアから逃げれば君は逃げ場を失う。

敵の手管も捉えられた仲間の危機も忘れ、敵は進撃を続ける。

佳い事を教えよう。



戦戯理論研究では、危害を加えてきた敵には徹底反撃を行うのが論理最適解とされている。

二度と反撃されぬよう、徹底的に叩くのだ。」



敦「でも、方法が…」


貴女「方法ならあるよ。」




敦君が驚いた顔でこちらを振り返った。




貴女「言ったじゃない、作戦があるって。抑も、こんな処で諦めるの？









あの人達は、私達のことを必死で救ってくれた人たちでしょう？」


敦「＿_！そう、ですね……Aさん、作戦を！」



貴女「うん、いい顔になったね。


で、作戦は_＿_＿_＿_」





△▽△▽△▽△▽△▽




モ「お話は終わり？やる気は戻ったかしら。そうでなくちゃ面白くないわ。

でも、終わりよ。」



敦君の真下からアンがもう一体現れ、敦君を捉えた。

しかし、敦君は一切動じない。




『作戦は_＿_＿_＿_＿_＿_＿









蛮勇を奮って扉に吸い込まれる。あとは扉にしがみ付いていれば、それだけで完璧だよ。」

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