101 ナポリタンを食べながら ページ10
日曜日
昼の怒涛のお客さんの波を乗り越えて
穏やかになった黄昏時
マスターが
「もうお客さんも来ないだろうから二人共、今日は早く上がっていいよ。」
と言ってくれた。
「Aちゃん、ちょっとこの後時間ある？」
相葉君がはにかみながらそう聞いてきた。
「あるけど……どうして？」
「金曜に出た課題が分からなくてさ、Aちゃん教えてくれないかな？」
「私でも分かる範囲ならいいよ(笑)」
と快諾した。
「マスター、席借りていい？」
そうマスターにも了承を得て二人、向かい合ってテーブル席に座る。
「ここなんだけど……。」
そう言ってテキストと課題のレポートを広げた相葉君
どれどれと顔を近づけて見るけど
テキストが上下逆さで見にくい。
しばらく交互に見ていたけど
「なんかまどろっこしいからAちゃんの隣に行っていい？」と相葉君が隣の席に移動してきた。
ぐっと近くになった距離に一瞬ドキリとした。
──あれ、相葉君って結構ガッチリしてるんだ──
普段そんなに近くで見ていないからか
相葉君のイメージはどちらかというと華奢な感じだったけれど
近くでみたら腕とか手とかゴツゴツしていて
当たり前なんだけど改めて男性なんだなと思ってしまった。
気を取り直して
「これはこうすると分かりやすいよ。」
そうアドバイスすると
「あぁ、そうか！そうすればよかったんだね！」
と目を合わせて笑った。
「これはこうだから──こうして──。」
相葉君がブツブツ言いながら課題に取り組んでいる間
相槌をうちながら、間違っていないか見守っていると
「勤労学生は大変だな〜。」
とマスターが二人分のナポリタンを私達のテーブルに置いた。
「えっ、マスターいいの？時間外だよ？」
相葉君がびっくりした声でマスターにそう言うと
「後で請求するってことはないから安心して。
いつも頑張ってくれてる二人にささやかながら感謝の気持ちだよ。」
とマスターは優しい笑顔を見せた。
「「ありがとうございます！頂きます！」」
ナポリタンを頬張りながら再び相葉君は課題に取り組み始めた。
私も時々相葉君の質問に応えながら食を進めていった。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
