119 絶句 ページ28
久しぶりに入った私の部屋
家政婦さんが定期的に入っているのだろうか、掃除が行き届いていて、とても数ヵ月間主がいなかった部屋とは思えない。
お父様の書斎で話をしたあと、遅い時間だからと今日はここに泊まることになった。
今日一日色々な事があり過ぎて混乱してる。
落ち着いて頭の中を整理したくて辿り着いた先は
『私』の部屋の中で一番小さいパウダールーム
……といっても置いてあるドレッサーは立派なもだし、ここにベッドを置いたらこの部屋と隣のバスルームにだけで生活の殆どが事足りそう。
ドレッサーの椅子に腰を下ろして
狭い所で安心する私の性分はやっぱりお金持ちではないんだな、と笑ってしまう。
──Aは櫻井君とのことは今後どうしていきたいと思っているんだ？──
あの時から櫻井さんとは会っていない。
「今のままでは結婚は難しいと思います。」
お父様にはそう伝えた。
櫻井さんはどう思っているのか
以前の『私』はどうしたいのか
何もわからないけど
今の私の気持ちは「結婚はできない」。
私の言葉にお父様は頷いて
「では、Aのその気持ちを櫻井君に確り自分の言葉として伝えなくてはね。
Aが次の一歩を踏み出す為にも大切なことだ。」
「次の一歩」はきっと相葉君とのこと。
相葉君が倒れた時に助けを求めたのが、お父様の秘書の佐藤さんなのだから、お父様は全てを知った上でそう言ったのだろう。
そして
奇しくも今日
相葉君の気持ちを知ってしまった
はっきり自分の言葉で伝えよう！
パンっと自分の頬を両手で叩いて気持ちを奮い立たせて
ドレッサーの鏡に映った自分を見つめた。
気持ちを切り替えて
とりあえず今日は遅いから休まないと、と
メイク落としをするためにドレッサーの引き出しを覗く
あれ、どこだっけ？
ここだと思っていた所になくて
あちこちの引き出しを見ていくうちに
今まで何故気がつかなかったのか
見たことがないA4サイズの封筒を見つけた。
何気なく中の書類を取り出して
表紙に書かれた文字に
私は絶句した。
──『櫻井 翔に関する調査報告書』──
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
