94 強者と弱者 ページ3
櫻井side
ごくごく普通の家庭に生まれた。
父親がいて、母親がいて、妹と弟がいて……
何の不満もなく、何の不足もなく
当たり前に満たされた生活を送っていた。
俺が中２の時
突然、父親が蒸発した。
朝、家を出て学校へ行って、授業を受けて部活もやって帰ってきた
そう、いつも通りの生活の中で俺の人生は一変したんだ。
生きていくため母さんは働きに出た
元々専業主婦で末っ子は小学校に入ったばかり
そんな女性がどれだけ稼げるのか……
「お金の心配はしなくていいよ」
そう母さんはそう言ってくれたけど
俺には妹と弟がいる
我儘は出来ない。
何とか公立高校に進学した
周りの奴らが、やれカラオケだ、予備校だと言っている中で
ただ生活するためにアルバイトをする日々……
無論、その先の未来なんて考えられなかった。
受験生になると
元々地頭が良かった俺は先生から私大の推薦入試を勧められた。
私立大学なんていくらかかるんだ
冗談じゃねえ
渋る俺に先生は言ったんだ
「今時、大学も出てないといい会社にも入れないぞ。」と。
小さい頃に『皆平等』と教えられた
あれは嘘だ。
門戸など誰にでも開いている訳じゃない
ごく限られた『強い』人間にだけ。
強者は強者のまま
弱者は弱者のまま
それは一変した生活の中でたどり着いた俺の結論。
先生が言うように
大学を出なければ大手企業など門前払い
『弱者』の俺が
這い上がる僅かなチャンスがあるとしたら
ここかもしれない
俺はそれにかけてみたんだ。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
