107 熱に浮かされて ページ16
─相葉side─
気がつけば朝になってた。
ちゃんと寝たはずなのに
全然疲れが取れてなくて
起き上がることも出来なくて
天井を見上げてただため息をつく
学校に行く時間なのに。
ああ、
風邪をひいたんだ
こんな酷いのは久しぶりだ
そのまま目を閉じる
このまま何も考えなくていいように
もう少しだけ
夢の中で彷徨っていたい
──────
「ううぅ─。」
とてつもなく重い鎧をつけてるように
体の自由がきかない
目を開けてみたら
いつもの俺の部屋……
……って！
──学校に行かなきゃ──
二度寝しちゃったんだ
一気に覚醒して
自由のきかない腕で辺りを弄って手に触れたスマホで時計を確認したら
時刻はすでに午後3時すぎ。
──ああ、やっちゃった──
もう学校終わりじゃん
まあでも
この状態じゃ学校なんて行けないしな
バイト先のマスターに
具合が悪いから休むと連絡する
布団から這い出て
キッチンの流しまで何とか辿り着いて
水を飲む
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ……。」
咳きこんでその場にずるずると崩れ落ちていく
薬なんて置いてない
元気な時には薬買おうって考えないからな…
キッチンの床に仰向けになって
キッチンの天井はこんなだったんだって
ぼーっと考えて
冷たい床に気持ちよさを覚えてそのまま転がって
働かない頭に浮かぶのは
「……Aちゃん。」
なんか俺
あの時
すでに体調不良だったんだ……
心も不調だと
こんなに拗らせちゃうんだな……
Aちゃんびっくりしちゃったかな……
変に走って帰っちゃったから……
今度会ったら謝ろう……
──…………ポーン──
遠くの方で何か音がしたような気がする……
夢かな……
──ピンポーン──
「んっ?!」
夢……じゃないよね？
「───相葉君？Aですけど。」
ああ、誰か来たんだ
出なくちゃと立ち上がって玄関まで歩こうとしたけど
真っ直ぐ歩けなくて
壁にぶつかる
何とか玄関のドアを開けたら
「……Aちゃん？」
─オレ、ゲンカクミルクライヤバインダ─
その幻覚を腕に手繰り寄せて抱きしめてみる
その感覚は
胸を締め付ける
──コノコガスキナンダ──
まるで誰かが耳元で囁いたように
その時気付いてしまった
それと同時に力が抜けてしまって
「オレ、もう無理……。」
意識を手放した
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
