105 気がかりなこと ページ14
次の日
昨日の相葉君のことが気になり
いつもより早めに学校に行ったものの
そういえば最近相葉君はいつもギリギリにくるんだったと今更ながら気付く
席に座って
クラスメイトが教室に入ってくる度に
そちらに目を向けるけど
期待していた人じゃなくてがっかりしたりして……
そうしているうちに１限の講義が始まってしまった。
相葉君どうしたんだろ？
心配になってきた。
１限の講義が終わるやいなや
相葉君に
「今日は学校お休みなの？」
「大丈夫？」
と送るけど既読にならない
その次の講義が終わっても
その次の講義が終わっても
返信はおろか既読にすらならない
本当にどうしちゃったんだろ……
昨日私が傘を渡さなかったから……
追いかけでも渡せばよかった……
後悔してもしきれない
放課の時間になってすぐ席を立ち
学校を後にした。
はやる気持ちを抑えて行き着いた先は
バイト先の喫茶店
予定の通りなら今日も相葉君はバイトだから
マスターに聞けば
学校に来てない理由がわかるかもしれないと思った。
「いらっしゃい──あ、Aちゃん、どうしたんだい？今日はシフト入ってないはずだよね？」
「あ、マスターこんにちは。
昨日は傘を貸してくださってありがとうございました。」
そう言って持ってきた傘を渡すとマスターは
「ああ、傘なんて次のシフトの時で良かったのに。」
と、そんな気にしなくてもいいんだよと笑いながら受け取ってくれた。
「あ、あの、相葉君は今日もバイト入ってますよね？」
「うんそうだね、でもさっき風邪引いたって連絡が来たから、休みになったけど。」
珍しいこともあるんだな、今まで休んだことなんてなかったんだよとマスターは付け加えた。
……やっぱり
あの後雨に濡れちゃって風邪引いちゃったんだ……
「…………。」
黙ってしまった私を見て
何かを悟ったマスターは
さらさらと紙に何かを書くと
「はい、ここ相葉君ちの住所。
個人情報だけど緊急事態みたいだから……ね。」
とその紙をそっと私の掌にのせてくれた。
「……え、これ……。
………ありがとうございますっ！」
戸惑いながらも、早く行かなくちゃと我に返り
急いでドア口に向かうと
「うん、いってらっしゃい！」
とマスターは私の背中を押すかのように声をかけてくれた。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
