103 擦れ違い ページ12
電車の方向も一緒で
降りる駅は私より数駅先にいったところだと言う
「なんだ、Aちゃん意外と近かったんだ！」
駅からどのくらい？って聞かれて五分位だよって答えたら、濡れちゃうからって家まで送ってくれることになった。
「相葉君は駅から家までどのくらい？」
「うーん、俺んちは10分位かな？
朝はいつも寝坊してダッシュしてるから5分(笑)。
もう少し近いほうがいいんだけど、家賃が高くて手が届かないんだよね。」
そうだ、相葉君は学費も生活費も全部自分でやりくりしているんだものね
尊敬しちゃうな、私なんて全部親に甘えちゃってるし……
「相葉君って凄いんだね。」
自然と出たその言葉に
「えっ！何のこと⁉」
と相葉君は腑に落ちないような返事をした。
「俺なんて、全然だめだよ……
レポートだってAちゃんに教えて貰ってやっとだし、バイトだってオーダー間違えちゃったりしてるし……(笑)」
私の家の最寄り駅に着いて
二人で一つの傘に入って歩く
「ほら、Aちゃん肩が濡れてるよ！
もっとこっちに寄って！」
相葉くんがさり気なく肩を寄せてくれた
そんな些細なことに体温が上がったような気がする
あっという間に自分のマンションに着いてしまって
「うち、ここなんだ。」
と相葉くんに伝えると
相葉くんはびっくりしたように上を見上げて
「なんか……すごくキレイなマンションだね……。」
と呟いた。
「そ、そうかな……。親が借りてくれた所だから……。」
本当は
ここに住めるのは親のおかげであって私には不相応なんだって
自分で稼いだお金で全てやりくりしてる相葉くんのほうが何十倍も凄いんだよって
伝えたかったのに
上手く言葉に出来ない。
「うん、……じゃあ、ここで。
はい、エントランスまでこの傘さして行きなよ。」
差し出された傘を条件反射のように受け取ってしまったら
「今日はありがとね！バイバイっ！」
って何かを言う隙もなく走って行ってしまった。
「……えっ?!、待って！傘っ！」
慌てて引き留めようと声をかけたけど
その声は
雨音にかき消されて届かなかった。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
