92 新しい生活 ページ1
──あ、もうこんな時間！──
慌てて鞄を持って部屋を出る
駅へと向かう道を小走りしていく
同じように駅に向かう自転車がそれを追い越す
駅に着いて電車を待つ間、上がった息を整える
電車がホームに入ってきて、ドアが開くと一斉に人がなだれ込む
いつもの時間、いつもの車両、乗っている人はいつもの顔触れ
同じ毎日、ルーティンのような時間をこなす。
同じ生活の繰り返しはつまらない？
ううん
幸せ。
少なくとも私にとっては。
･
あれから2ヶ月程たった。
『お父様』の提案を受けて
私は家を出て独り暮らしを始めた
本当は新しい家も自分で決めて家賃とか生活費も働いて出そうとしたのだけど
Aが働いて部屋を借りるなんて何年かかるんだよ。
って潤さんに鼻で笑われて
更に『お母様』にも
ただでさえ一人にするのは心配なのに、セキュリティの整ってない部屋じゃ、夜も眠れないわ。と毎日乗り込んで来そうな勢いだったから
借りる部屋は秘書の佐藤さんに探してもらった。
オートロック2LDKの独り暮らしには広すぎる部屋。
いつでも泊まれるようにと部屋の一つはゲストルームという名の『お母様』の部屋
どこまで過保護なのか……
櫻井さんにはあの日以来会っていない。
『お父様』が上手く話をつけてくれて
結婚の話は一時保留となった。
櫻井さんはどう思っているか知らない
ただ会わない時間が二人の距離を遠ざけているのは確かだった。
乗った駅から五つ目、ターミナルにもなっている大きな駅に降りて徒歩五分
「Aっち！」
歩いていたら後ろから大きな声で名前を呼ばれた。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
