75 薄情 ページ26
櫻井さんの顔がわずかに歪んだ後
「『愛情』ってなんなんだよっ！
キスしたり、身体重ねたり……
『金目当て』だと？
金の工面も独立まではって話だっただろ？
Aは何が不満なんだよ！」
怒りを含んだ言葉をなげる。
そうだ
抜かりない
彼は。
きっと第三者から見たら勝手なことを言っているのは私の方なんだ。
私の感じている違和感は誰にも理解されない。
さっき一瞬見せたあの表情
『お母様』に説明した内容も━━
電話の相手だって口調とかから絶対友人なんかじゃないし
香水だって、仕事で少し隣にいた位でつくレベルのものじゃない
それに
私は実際この目で見たんだ。
決してビジネス上の付き合いじゃない女性と腕組んで歩いているところを。
少しの私への薄情
それを言った所で
誰が信じると言うの？
世間では社会的地位のある櫻井さん
片や親のすねをかじるだけの私。
また世間知らずのお嬢様のワガママだって
そう思うに違いない
現に『お母様』だって……。
━━全ては彼の思うがままに━━
どこからか言葉が降ってきて
背筋が凍る
「……もうこれ以上あなたとお付き合いできません。」
あまりにも愕然として
どうしようもなくて
そう言うのが精一杯で
よろよろとリビングを出て行く。
リビングを出た所で『お母様』が心配そうに近寄ってきたけど
それに答える気力もなく
私は部屋に閉じ籠った。
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ゆいねごと(プロフ) - りこさん» ありがとうございます！最近忙しくてなかなか更新できませんが、少しずつでもがんばりますね！ (2018年3月23日 23時) (
レス) id: ef6567bd44 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 楽しんでよんでます！更新がんばってください!!応援してます！ (2018年3月22日 23時) (レス) id: bbbe789c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年2月5日 11時
