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「おいしい…」
沖矢さんが作ってくれたお粥はとても優しい味がした。
「それは良かった。無理せず食べられるだけ食べてくださいね」
「ありがとうございます。…沖矢さんは、今日は仕事お休みやったんですか?」
大人っぽいし、社会人かな。貴重な休みをこんなことに使わせてしまって申し訳ないな。
「はい。僕、東都大学の院生なんです」
(と、東都大学!?めっちゃエリートやん…!)
まさかの返答に内心驚きまくりである。
「そうやったんですか、お休みでゆっくりされてたのにすみません…」
「いえいえ、気にしないでくださいね。
突然コナンくんが車を降りてしまったので驚きましたが…あんな状態の女性を放っておくなんてできませんから」
そう言って少し笑みを深くする。
改めて顔を合わせると、この人もいわゆるイケメンだ。院生というのでおそらく年下だろうが、落ち着いた雰囲気のせいか同い年か年上のようにも感じる。
ぼんやり考えていると、コナンくんがベッドにぴょんと座った。
それを見てかわいい、なんて思ったことをすぐに後悔することになる。
「それにしても、ボクがたまたま見つけたから良かったけど…あんな状態で歩いて病院行こうなんて無茶にも程があるよ。
それにさ、持ってたトートバッグに白いシャツが入ってたけど。まさか仕事してたとか言わないよね?」
コナンくんがぐいっと迫ってくる。
「あー、えーっと…」
「そっか。してたんだね」
鋭い指摘に目が泳ぐ。
心なしか沖矢さんの視線も痛い。
そういえば、朦朧と着替えてそのままトートに突っ込んだのだ。まさかそこからバレるとは…そういえばコナンくんも少年探偵団の一員なんやっけ。
さすがや…と変な感心をしていると、
じと、と睨まれた。
「はあ…秋乃お姉さん、
もっと自分を大事にしないとダメだよ」
「う、ごめんなさい」
耳が痛い。ここ最近言われてばかりの言葉だ。
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枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時