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目が覚めると、知らない家の天井。
そしてベッド。
(あれ?確か病院探してる途中でコナンくんに会って、知らない男の人に…その、運んでもらって)
――それから?
完全に記憶が抜け落ちている。
そもそもここはどこなのか…
誰かの家だということは確定しているのだが。
(なんか、いいお家っぽいな)
調度品などからなかなかお金のある家なのではないかと思う。
よく確認しようと体を起こした途端ズキリと頭に痛みが走る。気怠さも引いておらず、どうやらまだ熱は下がっていないようだ。
「秋乃お姉さん、起きたんだね!」
静かに扉が開いた後に入ってきたのは。
コナンくんと、先ほど見た赤い車から降りてきた男性だった。
起き上がろうとした中途半端な姿勢で出迎えてしまってちょっと恥ずかしい。
コナンくんが駆け寄るより先に、一緒にいた男性が体を支えて起こしてくれる。
「す、すみません、ありがとうございます」
「まだ熱いですね。
…お粥なら食べられそうですか?」
おかゆ。
それやったら食べられるかな……って、そうじゃなくて。
「ごめん、色々いきなりでびっくりしたよね。この人は沖矢昴さん、知り合いなんだ。
で、ここは新一兄ちゃんの家でね、訳あって今は昴さんが住んでるんだ」
目をぱちぱちさせているとコナンくんが簡単に説明してくれた。というかここ、工藤くんのお家やったんか…すごいなあ。
沖矢さんはよろしくお願いします、と言ってベッド横の椅子に座った。
「自己紹介が遅れてしまってすみません。沖矢昴と言います。
秋乃さんのことはコナンくんから少し聞きました。家が分からなかったのでひとまずこちらへ運んだのですが…驚かせてしまいましたね」
医者からはただの風邪だろうという判断だったそうで。その後もわたしが全く起きなかったのでここへ運んできてくれたらしい。
(も、申し訳ない…!)
「ご迷惑をお掛けしてすみません、とりあえず帰りま「あー!ちょっと待って!」」
す、と言いたかったがコナンくんに遮られた。
「せめて晩ごはんだけでも食べてったらどうかな。そんなんじゃ帰っても作れないでしょ?」
いま昴さんがお粥作ってたんだよ、と教えてくれる。完全に食べる前提のやつや。
しかし正直頭はフラフラでその通りだと思ったので、ありがたくお粥をいただいていくことにした。
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枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時