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こちらに来てからまだお世話になることがなかったため、調べることを失念していた。
歩道の端に寄り、鞄からスマホを取り出す。
(米花町、病院、と)
なんだか画面が揺れている気がする。
その直後、目の前が白くフラッシュして、気づけば地面に膝と両手をついていた。
スマホが音を立てて地面に落ちる。
ああ、手帳型カバーで良かったなあ、なんてのんきな考えがよぎった。
「秋乃お姉さん!!」
誰かが駆け寄ってきた音がする。
そちらを見やると、見慣れた男の子。
「コナンくん…?あれ、今日学校は?」
「もうとっくに終わったよ!
それよりどうしたの、気分悪いの!?」
めちゃくちゃ心配されてる。申し訳ない。
「あはは、なんか風邪引いたっぽくて…この辺って病院ないかな?」
その間にコナンくんは首や顔に手を当てている。みんな同じことするんやなあ…まあ当たり前か。
「かなり熱いね…ボクいま知り合いの人の車に乗ってたんだ。その人に連れて行ってもらうよ!」
「ええ!?そんな急に悪いし…場所教えてもらうだけで充分やから、」
「秋乃お姉さん、いま自分がどんな顔してるか分かってる?…放っておけるわけないよ」
呼ぶからちょっと待ってね、と言うとどこかに向かって手を振りはじめる。
くらくらと霞む視界に入り込んできたのは、
鮮やかな赤い車だった。
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枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時