80 ページ32
(安室side)
・・・
ポアロの買い出しを終え、店へ戻ろうとした時。外から彼女がカウンターに座っているのが見えた。
梓さんとなにか楽しそうに話している。
ここで会うのは久しぶりだな、なんて思いつつ裏口から戻る。
表からまだ梓さんの声が聞こえる。聞き耳を立てるつもりも無かったのだが、カウンター席付近の声はどうしても聞こえやすい。
「秋乃さんって、安室さんとどういうご関係なんですか?」
――なかなかダイレクトに聞くな。
梓さんも今どきの女性らしくこういう話が好きな人だ。
「どういう…って、ポアロの店員さんと客であり、うちのお客さまでもあり…って感じ?」
返ってきた答えは、まあ予想通りで。
しかし、少し複雑な気持ちになる。
(それだけ、か)
不確かだった自身の気持ちは、少しずつ姿を見せ始めていて。
先日Mignonにポアロの紅茶補充に行った時。
驚かせようと連絡なしに来店すると、従業員の女性がすぐに秋乃さんを呼びに行ってくれた。
前回来た時のことを覚えていてくれたのだろう。
バックヤードから出てきた彼女の顔は、なぜか少し赤くて、慌てた様子で。
(おおかた、また俺との関係を勘違いされて弁解してたってとこか)
目の前で平静を装っている彼女は、いつも通り白いシャツの仕事着姿で。シンプルだが、それがらしくて似合うな、と思う。
一通り話した後、せっかくなので新作を飲んで行ってほしいと言われ、応接室に通された。
98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時