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「…僕はどうやら、秋乃さんのことがとても気になってしまってるみたいです。
今日はあなたを元気付けたいのもありましたが、自分自身の気持ちを確かめたくて…色々とお誘いしてしまいました」
もし嫌でしたら今後は考えます、と。
「……ありえへん、」
下を向いて ぽつ、と呟くと、
よく聞き取れなかったのか少し首を傾げた。
「そんなん…安室さんは格好良いし、優しいし、なんでも出来はるし。…誰でも好きになってしまいます」
だからそんな人がわたしのこと気になってるとか、ありえない。なんの変哲もない、紅茶くらいしか胸を張れることもない、その辺にいるような女に。
「なんで、わたしなんですか。
安室さんに似合うような人じゃないのに」
「うーん、それを決める権利は僕にもあると思うんですけど…」
彼は少し困ったように笑う。
「つまりは、まだいまいち信用できないってことですよね?
…でも、これだけはお伝えしておきたいんですけど。さすがに誰にでも言うほど僕は軽い男じゃありませんよ」
「…っ、――すみません、」
そう言われてハッとする。
わたし、失礼だ。
安室さんのことなんて、大して知らないくせに。顔がいい人はみんなそうだとか、勝手に想像して。
正直、気になる人かと聞かれたならイエスだ。
…だけど、やっぱりまだ分からない。
長らく忘れていたこのドキドキは、ただ自分に優しくしてくれた男性だからなのか、それ以上の感情なのか。
ぐるぐると頭の中を回転させていると、
安室さんが小さく吹き出した。
「…はは、――秋乃さん、やっぱり訂正します。僕、あなたのことが好きみたいです」
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枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時