ティータイムをあなたと ２

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「てんちょ！ニュースでやってたミステリートレインのやつ、昨日乗るって言ってたやつですよね！？大丈夫だったんですか？」


出勤するなり松葉ちゃんが迫ってきた。

全然関係ないけど、最初はちゃんと店長、って呼んでくれてたのに気づけばてんちょ、と短くなってる。かわいいからおっけーやけど。


「うん、わりと巻き込まれたけど全然大丈夫やったよ」

「わりと巻き込まれたってどういう事ですか…まあ無事で良かったですけど」

どうやら浅葱くんもテレビでニュースを見て心配してくれていたらしい。


「だいじょぶやって。
それより、お土産も買ってきたんよ！

ベルツリー急行限定パッケージのバターサンド！試食貰ってめっちゃ美味しかったから買ってしもたよー、休憩で食べて！」


「やたー！てんちょ好き！！」

「うわ、これおいしそうですね！ありがたく頂きます」

うちのスタッフは全員お菓子好きなのでお土産には困らない。梅ちゃんは今日はお休みやから明日食べてもらおっと。


・・・


「ありがとうございました、またお待ちしております！」

お買い上げ頂いたお客さまをお見送りする。


今日は新規の方が多くて嬉しいなあ、
お茶気に入ってくれるといいな。


「ちょっと中でメールチェックしてくるね」

そう告げてバックヤードへ入る。
休み中に溜まっていた店長メールはまだ半分ぐらいしか目を通してない。

それらをざっと確認し、返信が必要なものだけ打ち込んでいく。




「てんちょてんちょ！きたきた！」

最後の返信を終えたとき、勢いよく扉が開いて松葉ちゃんが入ってきた。


「なにが来たん…てかドアはもうちょい静かに開けてーやー、」

もー、静かに開け閉めしましょう、って書いたのになあ。


「てんちょの彼氏！きましたよ！！」




――彼氏？


(…も、もしかして)

こんな言い方される人物は一人しかいない。
分かってしまうこと自体申し訳ないのだが。


「だからっ、彼氏ちゃうからね！あの人の前でそんなん言ったらあかんよ？！
…とりあえず表行くわ」


にやにやしている彼女に軽くチョップをしてから扉を開けた。

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