64 ページ16
安室さんに追い返されたものの、
煙を吸いすぎたせいかなんだか頭が重い。
さっきまで必死だったこともあって、冷静になった途端急にめまい感が襲ってくる。
さすがにここで倒れるのはやばい、と踏ん張るが、視界不良でますますくらくらしてきた。
早く戻らないと…そんな気持ちとは反対にどんどん足取りが重くなる。
次の車両への扉を開け。
ふいに壁に肩が当たった瞬間、ずるりとそのまま崩れ落ちてしまった。
もう視界が狭い。
(――誰か、いる？)
意識が途切れる瞬間、誰かがそばにいたような気がした。
・・・
「秋乃お姉さん！起きた！？」
次に目を開けると、コナンくんの顔がすぐそばにあった。よく見ると探偵団の子たちも、みんないる。
「あ、れ？コナンくん……っ痛、」
ズキ、と頭が鳴る。
「すぐ起きちゃだめだよ！かなり煙吸い込んでたみたいだから。ゆっくりだよ」
子どもたちが背中を支えてくれて、なんとか体を起こす。
ここは客室…？
「！哀ちゃんは？」
「哀くんも無事じゃよ。
心配せんでも大丈夫じゃ」
焦るわたしに阿笠さんが優しい声で教えてくれる。本当によかった…安室さんが見つけてくれたのかな。
「秋乃おねえさん、先頭車両近くの廊下で倒れてたんだって。気がついてよかったー！」
歩美ちゃんが心配そうに抱きついてくる。
こんな顔させて申し訳ないなと思いながら、ありがとうね、と頭を撫でる。
(…でも、そんな前の方まで歩いてたっけ？)
朦朧としてたからあまり覚えてないが、そんなに扉を開けた記憶がないような気がする…
うーん、いまいち覚えてないしまあいいか。
ふと思い出すのは、例のメール。
(哀ちゃん…)
はっきりしないから聞くこともできないし。仕方ない。気になるが今回は黙っておこう。そう思って口をつぐんだ。
・・・
知らぬ間に邂逅したのは、
世良ちゃんを助けたあの人。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると励みになります、頑張りますね！ (2018年5月24日 12時) (
レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです！！頑張ってください！！ (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：枝豆 | 作成日時：2018年5月15日 12時
