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和やかな子どもたちの笑い声が響く中、
ふと隣を見ると哀ちゃんがスマホを取り出した。メールかな?
覗くつもりなんて微塵もなかったのだが、
隣なので少し画面が見えてしまった。
<覚悟は決まった?>
すぐに画面の角度を変えてしまったので見えたのは一瞬だったが、
間違いなくそう書かれていた。
「灰原さん、メールですか?」
「誰からー?」
画面を見たまま動かない彼女に、光彦くんと歩美ちゃんが尋ねる。
「いいえ、ただの広告メールよ」
誤魔化すように笑いスマホをしまう。
(今の、誰から…?)
次の瞬間、突然哀ちゃんは席を立ち、
扉へ歩いていく。
「哀くん!どこへ行くんじゃ」
「トイレ。
風邪薬も飲むからちょっと長いかも」
「じゃああたし付き添うよ…、あ」
蘭ちゃんの言葉が終わらないうちに扉が閉められる。
「ほっときなよ、うざがられるだけだって」
園子ちゃんがそう言うが、納得するのは難しかった。
「でも…この部屋に来る途中、ずっとあたしの上着の裾掴んでたから…なにか心配事があるみたいだし、そばについててあげないと」
蘭ちゃんが再び扉を開けるも、哀ちゃんの姿は見当たらないようで。ちょっと行ってくるね、と廊下へと出て行った。
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枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時