マレウス・ドラコニアの右腕候補生 (ページ5)

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寮服ページ5

それから一度も着ていないマレウス様の式典服も含め、全員の式典服をクリーニングに出すこととな

った。どうにかセベクも着替える意思を固めたことだし、一件落着である。

「セベク、レーヴェン。お前らは同室じゃ。部屋にそれぞれの寮服を置いておいた故、寸法が合っているか試してこい。」

「「はい！リリア様！」」

リリア様が直々に用意してくださった寮服。これを着る日をどれだけ夢見たことか。

談話室から伸びる階段を駆け上がってすぐにある部屋。セベクと僕の部屋のドアを通って中に入る

と、そこには重厚な造りの厳かな内装が施された空間があった。

「茨の谷を思い出すね、セベク。」

「そうだな！それで寮服は……ベッドの上か。」

それぞれのベッドに置かれた寮服。サイズ的には右側のベッドのものが僕のだろう。

「おお……かっこいい。」

黒と黄緑を基調としたベルトの多い軍服のようなジャケット。帽子には角を模したような飾りがつい

ていて、ブーツは膝上まである長い代物だった。

「というかセベク、さっきは言うの忘れたけど……またデカくなった？」

「ん？身長のことか？」

「うん。夏休みに測った時は１８０ｃｍだった気がするけど。」

「ああ。入学直前の身体測定では確か１８８だった。」

「ええ⁉」

急成長がすぎるだろう。ほんの数か月で８ｃｍも身長って伸びるものだったっけか？

「僕なんて１ｃｍ伸びただけだし……たったの１５６ｃｍだし……うう……」

「な、泣くな！レーヴェン！お前はまだ成長期が始まったばかりだ！きっと伸びる！」

「そうかな……年内にリリア様と並べるように頑張るよ。」

学食に牛乳あるかな。毎日飲もうか。

「それでセベク、寮服のサイズどう？」

「うむ。僕はピッタリだ。レーヴェンはどうだ？」

「僕もそうかな。でもブーツ……長くない？膝の上まであるって。」

「ん？ブーツは膝下ではないのか？」

「え、膝上だよ。」

「膝下だ。」

「え？」

「は？」

足のサイズ自体は合っている。だけど丈が違うと考えると……

「僕の脚が、短い……もうヤダー！」

「あ、レーヴェン！」

「リリア様ー！」

もうこうなったらリリア様に泣きつくしかない。

「どうかしたのか？レーヴェン」

「このブーツの丈が長すぎます！膝の上まであるんです！」

「おお、そうか。足の寸法が合っていたからてっきりピッタリだと思っておった。うっかりじゃ。」

そんな笑顔で傷を抉らないでほしい。