マレウス・ドラコニアの右腕候補生 (ページ22)

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即断即決ページ22

「セベク、シルバー、それにリリア様も！」

四時間目の授業を終えて食堂へ向かう。今日のランチを持って行くと、そこでは日の当たる特等席に

三人が待っていた。

「レーヴェンか。」

「マレウス様はどちらに？」

「マレウスは用事があるから先に食べててくれとのことじゃ。授業はどうだったか？友達はできたのか？」

「とても楽しかったです。それに友達もできました、リリア様。」

「それならよいよい。そういえばレーヴェン、お前は部活を決めたのか？」

「え、部活？」

この学校部活あったのか。部活といえば学校生活の象徴と言っても過言ではない。勉強や鍛錬を疎か

にするつもりはないが、ぜひともやってみたいものだ。

「リリア様は何の部活なんですか？」

「わしは軽音部じゃ。迷っておるなら軽音部に来い。軽音部はいつでも歓迎じゃぞ！」

「んー、僕は体を動かすものがいいので遠慮します。」

「レーヴェン、一緒に乗馬」

「乗馬部に入らないか⁉」

「セベク、うるさい。僕が思う運動部とかとはちょっと違うんだよね。他に何かありませんか？」

「だったらマジフト部なんてどうじゃ？」

「僕が箒乗るの下手なの、知ってて言ってますか？」

「バスケ部なんてどうだ？大会もしょっちゅうやってるぞ。」

「それだ！」

よし！僕はバスケ部に入ろう。

「ちょっと入部届け書くのでお先に失礼します！」

「決断が早くないか⁉」

「セベク、ここ食堂。じゃあまた放課後に！」

＊＊＊＊

職員室前で入部届けを取り、そこに必要事項を書き込む。これを出せば晴れて僕もバスケ部入部とい

うわけか。なにせ茨の谷では球技をする施設がほとんどない。おまけに右腕候補生という立場もあっ

て中々できずにいた。在学中だけでもいいからやりたいというのが本心である。

「よし。」

「お前もバスケ部入んの？レーヴェン」

「エース？君もバスケ部なの？」

「ああ。オレは体験行けなさそうだけど、まあ頑張れ。」

「エース！早くしろ！」

デュースの声がした方を向けばハーツラビュルの先輩らしき人二人とユウ、それからグリムが待って

いる。何か用事があるらしい。

「それじゃあまた今度な！」

「うん。」

エースは駆け足に四人と一匹の所へ向かうと鏡舎の方へ向かって行った。