野坂くんと私の短編集【野坂悠馬】 (ページ15)

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15.ドッキリ【お付き合い】3 ページ15

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そして呼び方。

僕が知っているAは西蔭を名前呼びなんてしていなかった。

極めつけは関節キスに腕組み…

仲間の距離間じゃないよな。

それを光くんに言うと、

光「…それは確実に可笑しいですね。

言いにくいんですけど、男女の《それ》かと…」

悠馬「……だよね」

光「あ、あからさまに落ち込まないでください！あ、ほら、何かの間違いかも…」

フォローをしようとする光くんだけど余計に心に刺さる。

何か引っかかる。

西蔭がぎこちなかったからだ。

光「…失礼ですが、野坂さんはAさんが好きなんですか？」

悠馬「…さぁ、どうなんだろう」

Aと西蔭か、…答えはもう出ているようなものだよね。

光「じゃあ答えはもうでているんじゃないですか」

悠馬「…そうだよね。2人は…(光「落ち込んでるってことは野坂さんはAさんが好きなんですよ」…え」

そっち？っていう感じだが確かに筋は通っている。

悠馬「…そうだね。僕行ってくるよ」

光「え、何するんですか野坂さんっ」

野坂「ふふっナイショだよ」

光「あ…行っちゃった。」

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Aside

つくしちゃんからタオルとドリンクを貰い、ベンチで休んでいると光くんと話し終わったであろう悠馬がこっちに向かって走ってきた。

『悠馬～？どうしたのそんなに焦って…』

悠馬は目の前まで走ってきたかと思うと、私の腕を引いて歩き出した。

『え、ちょっと…もうちょっとで休憩終わるよ？』

悠馬「…」

また無言ですか…

悠馬の方が可笑しい気がするけど…そう思っていると悠馬が足を止めた。

周りを見るといつの間にかに宿舎でまで戻ってきていた。

『悠馬ってば』

悠馬「A、は…西蔭と付き合っているの？」

『！』

ド直球で言われて少し驚いたが『うん』となんとか肯定する。

悠馬「…そう。

Aは西蔭のどこが好き？」

『え、』

なんで悠馬と恋バナ…？

『…優しいところかな』

悠馬「…そう、なんだ」

『…何か言いたいことでもあるの？』

首を傾げて聞いても悠馬は何も言わないし、腕も離して貰えない。

『政也たちが待ってるよ？戻ろーよ』

ドンッ

静かな宿舎の廊下にそんな大きな音が響く。

目の前には悠馬。

これが世にいう壁ドンか…なんて冷静に考える。

悠馬「A、好きだよ」

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『…は？』