君は僕の…【野坂悠馬】 (ページ9)

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8.電話ページ9

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前の日に家の電話番号の書いた紙を渡されたのでそれを見ながら間違えないように慎重にボタンを押していく。

最後の数字を押して、受話器に耳をあてる。

数回コールのあとにガチャっと音がして誰かが電話に出たことがわかった。

『も、もしもし！』

？『もしもし、A？』

『うん！A、です…』

悠馬「そんなかしこまらなくても…」

『で、電話って実は初めてて…あ、でね、話したいことがあったの！』

悠馬「小学校行ってきたんだよね。先生達と上手く話せた？」

『うん！大丈夫だったよ！』

悠馬「それで、話したいことって何かな？」

『あのね、…私ゆーくんと同じクラスだって！！』

悠馬「ほんと！？嬉しいな...」

『ね！ほんと奇跡だよー！』

悠馬「確率は5分の1だもんね」

『なんの話し？』

悠馬「こっちの話ｸｽｯ」

Aに話してもすぐには理解できないよ、と言われ少しムッとするけどゆーくんは頭がいいからこれから習うことなのかなと、ひとりで納得する。

『そういえば、ゆーくんの誕生日っていつなの？』

悠馬「僕？4月2日だよ」

平然とそう言ってみせるけどもうすぐじゃん！

『え！今28日だから…3月は今年は31日まであるから今日入れないで5日しかないじゃん！』

悠馬「…うん、そうなるね」

『もっと早く言ってよー！きちんとお祝いパーティーするよ！』

悠馬「え、パーティー？」

『うん！パーティー。予定開けとかないと！あ、ゆーくんも当然、予定空けといてよね！』

ビシッと電話しているのを忘れてまっすぐ指を指す。

電話なので当然ゆーくんには見えていないのだけれど、彼は私の気迫に驚いているようだ。現に言葉を詰まらせているのか受話器からは何も聞こえない。

悠馬「…うん、わかった。楽しみにしてるよ」

そう言う彼の声はいつもより少しトーンが上がっていた。

満足そうにうん！楽しみだね！と笑うとゆーくんは大袈裟だよ、と笑ってくれた。