41.保健室 ページ42
.
先生「なにか心当たりがあるのか？」
『…実は(悠馬「A！」…ゆーくん？』
悠馬「僕が話すよ…A、心配してくれてありがとう」
『ゆーくん…』
ゆーくんは1度深呼吸をしてから先生の質問に答えた。
悠馬「実は………これをやったのはお母さんなんだ」
『！！』
あんなに優しそうなおば様がそんなことするはずが無いと思ってしまう。
でもゆーくんは私に嘘なんて吐かない。
『(じゃあ本当に…)』
先生「それは…虐待っていうことでいいのか」
悠馬「…そう、なのかな」
『ゆーくん、腕は？腕もおば様に…？』
月曜日の不審だった点を思い出した。
先生「腕？」
悠馬「…うん、そうだよ」
ゆーくんは長袖の服を捲って見せてくれた。
足と同じく青紫色の痣が両腕にあった。
『前は右腕だけだったよね？』
悠馬「うん、月曜日の時は右腕だけだったんだけど…」
先生「…どうして自分の子供にこんな事が出来るんだ？」
悠馬「ぼ、僕が…悪いんだ」
そう言うとゆーくんは下を向いてズボンを握りしめた。
先生「…というと？」
悠馬「僕が、部屋の掃除が…できなかったり…ご飯を、こぼしたりするから……」
『でもこんなにすることないよ！ゆーくんは悪くない！』
悠馬「でも、…僕が何もしなければお母さんが怒ることは無いんだ…だから」
涙をうかべるゆーくんがいたたまれなくなり抱き締めた。
『ゆーくんは悪くないよ。おば様が病んでしまっただけだよ』
公園の時以上に大きな声でゆーくんは泣いた。
休み時間を過ぎてしまったが先生は何も言わなかった。先生には用事があるようで保健室から居なくなると言われた。
『先生、私はゆーくんの傍にいます。いけませんか？』
先生は少し考える素振りをして「いや、傍にいてあげて」と言ってくれた。
『ゆーくん、また目のまわり腫れてるよ』
悠馬「…ｸﾞｽｯうん、痛い…」
『……ゆーくんの馬鹿』
悠馬「っ！言わなかったこと怒ってる…？」
『…怒ってる。どれだけ心配させれば気が済むの』
悠馬「…だ、だって、言ったらもっと心配するかなって…無茶するんじゃないかなって」
言われた言葉に少しムカついて目の前にあった机を叩くとゆーくんは肩をビクッと震わせた。
『言わなくても心配するわよ。ていうか心配くらいさせてよ……私達友達なんだからっ！』
悠馬「！」
『勝手に悩んでるんじゃないわよ…』
悠馬「…ごめん」
ラッキーイナイレシリーズキャラ
壁山塀吾郎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青井 x他1人 | 作成日時：2020年2月10日 0時
