君は僕の…【野坂悠馬】 (ページ37)

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36.悲報ページ37

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メダルゲームを終えて帰っている時にゆーくんの家で明日遊ぶ約束をして別れた。

家で夜ご飯を食べていると家の電話が鳴った。

生憎家には私しかいなかったのですぐに出ると「野坂悠馬です」と小さく聞こえた。

『ゆーくん？どうかしたの？電波が悪いのかな、声が小さく聞こえる』

悠馬「…A、あのさ」

(違う…)

声が小さく聞こえるのは電波のせいじゃない。

悠馬「…あの、ね…」

(違う…)

(元気が無いのはゆーくんに何かあったからじゃない…

違ってよ…)

悠馬「お父さんがさ…」

喜んでいたゆーくんの顔が脳裏によぎる。

悠馬「…帰って来れなくなったって」

『………っ』

ひゅっと息が詰まる音がする。

楽しみにしていたのに仕事が忙しくなって帰って来れなくなったと言われた。

『あ…』

(こういう時なんていえばいいか分からない。

私には分からない。

分かってあげられない。)

悠馬「突然だけど…仕事だからって…ｸﾞｽｯ」

(私はなんて言えば…

だって私には…)

悠馬「…だから、今回は無理だって…ﾋｯｸ」

(居ないんだよ？

なんて言えばゆーくんは泣き止んでくれる…？)

『ゆー…く、ん』

悠馬「…仕事だし、しょうがないことなんだよね。…別に一生会えないわけじゃないし…ｸﾞｽｯ」

そうだよ！全然大丈夫だよっ

(そんな事言えない。

何か言いたくても口から言葉が出ない。

ゆーくんは今どんな表情をしているの……？)

一旦自分を落ち着かせてゆっくり言葉を吐いた。

『ゆー、くん、残念…だね。でも大丈夫だよ！ゆーくんには私が…いるよ！それにおば様も…』

そこまで言うと受話器の向こう側でゆーくんの声じゃない大きい声が聞こえた。

『おば…様…？』

悠馬「……うん、お母さん楽しみにしてて…遊びに行くところとか決めてたから…」

『そう、だったんだ。ごめんねゆーくん、私…なんて言っていいか分からない…あなたを励ます言葉が出ないの…ごめんなさい』

悠馬「…う、ううん、大丈夫…僕はまだ…ｸﾞｽｯ」

泣いているのはバレバレなのに強がるゆーくんを少し不憫に思った。

悠馬「でも、お母さんはすごくショック受けちゃって…今寝込んでいるんだ…」