29.成長 ページ30
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クララ「…そう言えばタツヤの席借りてたんだった。もうちらほら戻ってきてるし私も席戻るね」
『あ、うん。またね！』
玲名「また〜。ねぇタツヤ身長のことなんだけどー」
隣から視線を感じたので向くとゆーくんがこっちを見ていた。
『ゆーくんおかえり』
悠馬「...うん！ただいま。A」
私が気づいて声をかけたのが嬉しかったのか少し顔を赤らめた。
『ゆーくん身長伸びた？』
悠馬「うん、2センチ伸びた」
『やった！勝ったぜ。私は3センチ伸びたよ』
悠馬「勝ち負けとかあるの…？だいたい今の歳だと女の子の方が伸びやすいんだよ。男は身長が伸びるのは後からなんだよ」
『そ、そうなの？じゃあ今は私の方が少し高いけど大人になったら差ついちゃうのかな』
悠馬「そうだね、でも僕は男だから高くないと嫌だよ…」
『そういうものなのかなー』
悠馬「そういうものだよ」
それから視力検査と聴力検査も無事終わり2人仲良く帰宅した。
ちなみに視力は2人ともA.Aだった。
それから5月中盤になったある日。
授業ももう慣れていたのだが、あの時期になってきた。
『はあぁっ』
悠馬「幸せが逃げるよ、なんて在り来りな言葉言っていい？」
『だってさー、』
悠馬「たかが《テスト》だよ」
『いや、別にテストが嫌いなわけじゃないのよ、テスト勉強が嫌いなのよ』
悠馬「でもAは成績悪くないよね。しかも覚えも早いし」
『そうなんだけど、先生とか親からの《頑張りなさい》オーラが嫌いなのよ』
悠馬「…そんなのある？」
『ゆーくんは感じないのー？とにかくしろしろって言われたらしたくならないよね』
悠馬「確かに、強要されるのは嫌だね」
『テスト6月でしょ？ねーテスト勉強しない？』
悠馬「…どこで？」
『え、私の家？』
悠馬「……た、たまには僕の家に来ない？」
急にそっぽ向きながら言うと返事を催促するかのようにちらっと視線を向けてきた。
『…そうだね、中入ったことは無かったな。でも大丈夫なの？許可とか』
悠馬「前からお母さんと話してたんだよ。いつも行かせて貰ってばかりじゃ悪いよねって」
『別に悪くは無いけど行ってみたいっていうのはあるな』
悠馬「じゃあ決まりだね、いつにする？」
『私はいつでもいいけど…じゃあ今週の土日のどっちかなんでどう？』
悠馬「その日なら大丈夫だよ、土日どっちも大丈夫だけどどっちも来る？」
『うん行く！』
ラッキーイナイレシリーズキャラ
壁山塀吾郎
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作者名：青井 x他1人 | 作成日時：2020年2月10日 0時
