君は僕の…【野坂悠馬】 (ページ13)

今日:34 hit、昨日:10 hit、合計:25,771 hit

12.初めての自宅訪問ページ13

.

『ゆーくん、いらっしゃい！』

悠馬「お邪魔します…」

何故か緊張しているようだった。

『ゆーくん緊張してるー！』

悠馬「僕だって初めてなんだよ。女の子の家に来るの」

『男の子の家ならあるの？』

悠馬「…」

あからさまに落ち込む彼をみて察してしまう。

『ゆ、ゆーくんごめん！ま、まぁそうだよね。で、でもほら！初めて同士で私は嬉しいよ！！』

悠馬「Aは鋭いとこ突くよね…」

『ごめんってばー！家から来たけど一応手洗っといた方がいいよね。洗面所は玄関入ってきて左だよ。』

悠馬「ありがとう。」

手を洗ったゆーくんをリビングに招き入れてソファに座らせた。

『ゆーくん、何が食べたい？』

悠馬「作ってくれるって言ってたけど、何が作れるの？」

『うーん、お母さんのお手伝いしてるからとりあえずはなんでも作れるよ！』

悠馬「凄いな…じゃあ得意料理がいいな」

『私の得意料理かー…オムライスとか？』

悠馬「オムライス…好きだよ」

『うん、じゃあ決まりね』

冷蔵庫から卵やケチャップや肉、ピーマンなどを出してすぐに取り掛かった。

――――――――――――

悠馬side

Aが今オムライスを作ってくれている。

Aは可愛いからその姿は絵になるだろう。
後ろ姿も可愛いな。

今はAの方が少し背が高いから成長したらAより大きくなっていたいな。

そんなことを考えていると、不意にAが手を止めてこちらを見て、

『なんか、新婚さんみたいだね！』

なんて言って笑うから恥ずかしくなる。

悠馬「…そうだね」

そう笑いかけると彼女は満足したのかまた手を動かした。

友達ってなんだろうとふと考えてみる。

僕は人と関わるのが苦手だから友達なんて考えたこともなかった。

だから友達なんて無縁だと思っていたのに、

いきなり僕の目の前に君、

Aが現れて心底驚いた。

普段の僕なら興味すら湧かないのに、直感でいい人そうだと思ったんだ。