12 ページ12
(樺side)
楠さんが事故にあった翌日。
朝礼を椙山と、臨時で手伝いに入ってくれている、今は少年忍者のマネージャーをやっている柚木くんと済ます。
樺「では柚木くん、しばらくの間よろしくお願いします」
柚「こちらこそ、よろしくお願いします！」
椙「柚木くんは楠さんの同期なんですかー？」
柚「そうなんです、いろいろお世話になって…家も、マンションの部屋が隣なので時々お惣菜もらったりとかしていて助けていただいているんです。それが…こんなことになって…」
樺「悲しんでいる時間はないからね、よろしくね」
柚「はい！よろしくお願いします！」
それぞれに役割分担をして、解散。
俺はちょっと時間があるから、楠さんの様子でも見ようかな…と、病院を訪れる。
…転院させろ、と、事情を知っている佐久間や渡辺が言っていたのは知っている。
だけどここの病院は、セキュリティもしっかりしているし、口も堅い。融通もきく。本人が拒否しない限り、なるべくここにお世話になりたいんだよな…
なんて考えながら、ICUへ向かうと、面会申し込み窓口に見知った影。
樺「渡辺」
渡「あー…はよございます」
樺「おはよう…来てたのか」
渡「俺今日午後からなんで」
樺「…俺が迎えに行くはずのやつだな。まって、俺も行く」
慌てて面会申し込み書を記入・提出して、手洗いを済ませ、ガウン等を預かり、身に着けて中へ入る。
樺「ほかの病院では、ICUは家族だけしか入れないところが多いんだぞ」
渡「へぇ…」
だからここの病院にしておこう、と言いたかったのだが、渡辺の意識はもう楠さんのほうを向いているらしく、おそらく俺が言ったことは頭にまるで入っていない。
ベッドの上の楠さんは、まだ目を覚まさず、白い顔をしてすやすや眠っている。あ、だけど唇の色は少し戻ったかな。
つながっている機械は彼女が生きていることを表示していて、少し安心する。
渡「…これ…」
渡辺が指したのは、喉から出ている管、人工呼吸器につながっている。
樺「気管切開して入れているらしいから…」
渡「これ…ここにつけると、喋れなくなるんじゃなかったっけ」
樺「…そんな説明は受けてないけど」
渡「俺…こいつの声、好きで。こいつの、喋る声も、歌声も、すげぇ好きなんだよ…」
樺「…確認してくる」
結果、声帯の下を切っているからリハビリで声は出せるらしい。
けど、渡辺の悲しそうな顔は、ぬぐえなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さおりん(プロフ) - あります！あると信じよう！くすちゃんですから！なべくすですから！ (8月8日 14時) (
レス) @page50 id: b19d2edb84 (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - めちゃめちゃ需要ありますー！！なべくすが一番の推しでございます！ (8月8日 9時) (レス) id: 862b9f2ea7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - まめさん、おはようございます。 続編、需要ありです！是非とも続編読みたいです！楽しみにお待ちしております。ですが、まずは体調第一で、ゆっくり休んでくださいね。お大事に。 (8月8日 9時) (レス) id: 602a0a51da (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - 需要ありまくりです！！体調大丈夫ですか？無理だけはなさらずに！ (8月7日 22時) (レス) id: 7007161c36 (このIDを非表示/違反報告)
Miko(プロフ) - まめさん、こんばんは。ぜひぜひ続編読みたいです！楽しみにしてます。健康第一ですので、体調良い時に続編お待ちしております。 (8月7日 22時) (レス) @page50 id: dcc7a69d04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめ
| 作成日時：2023年5月30日 13時
