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「ガヤさんお疲れ様!千穐楽おめでとう!」
上着をお洒落に肩掛けして登場した人物に、1番に駆け寄ったのはケントだ。
「大阪どうだった?忙しかったよね」
「俺もう一回観たかったわー。ガヤさん、ほんと良かったもん!」
「宮田なに目線だよ(笑)
おかえりガヤ。どう、疲れてない?」
「ただいま。大丈夫だよ、明日は休みもらったし」
みんな賑やかに労いの言葉をかける。
俺は太輔の頰のラインが、少し戻ってきていたのにホッとしていた。
「おかえり太輔。朝ごはん食べた?」
「もう、心配いらないってば」
クスッと笑って叩いてきた。
ここ数ヶ月でかなり痩せた親友を、心配していたのがバレていたようだ。
いつものように2人並んで座る。
「ワタ、それ今日の資料?教えて」
肩を寄せてきた太輔の香水がふわりと舞う。
段取りを説明をしていると、俯く首もとが目に入った。
そのラインはやはり以前より細い。
「ガヤ〜!!
おかえり〜。会いたかった」
裕太がやって来て
唐突に太輔を後ろからぎゅう、と抱きしめた。
「はいはい、ただいま。俺も会いたかったよ」
後ろ手に頭をポンポンと叩かれた裕太は、太輔のうなじに顔を伏せ「ん〜、」と息を吸い込んでいる。
「ちょ、なにしてんだよタマ(笑)」
「ガヤを堪能してたの。うん、今日もいい匂い♡」
そのまま腰を下ろした裕太と、両脇から太輔を挟んだカタチになった。
久しぶりだな、こういうの。
「2人はどうしてた?忙しいんだろ?」
「俺はちょっと落ち着いたよ。裕太は忙しそうだよな」
「まあね。ガヤの顔見れなくて寂しかったわー。
大阪ではどうしてたの、美味いもの食った?」
「大げさだな、ほんの1週間じゃん。
あ、すっげー美味いお好み焼き食べたよ」
「俺も時間あれば行きたかったなー。
いいなぁお好み焼き〜」
裕太が太輔の肩にちょん、と顎を乗せた。
マイペースな裕太には、太輔はいつも好きにさせている。
やがて太輔が打ち合わせに呼ばれ、その後ろ姿を見送りながら裕太が呟いた。
「ガヤ、大丈夫そうだね。
まだ身体はだいぶ痩せてるけど」
堪能、とか言いながら確認してたんだな、裕太も。
いや裕太だけじゃない、ケントも、宮田もニカも…
俺達みんな太輔のことを心配していたよ。
我等がキングは絶対立派にやり遂げて、俺達のところへ帰って来る、と信じながらね。
おかえり太輔。
いちばん心休まる場所で
ゆっくりと羽根を休めておいで。
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もふ(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 普段悪ガキっぽいNさんがふっと大人の男の顔に切り替わるところ、Fさん相手だと姉弟?みたいなところが好きなんですよ。こちらこそいつもありがとうございます(*^_^*) (2018年9月7日 8時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 特別な夜に‥ラストはニカ藤(*´з`)・・うぅ‥やっぱりもふさんのお話好きだなぁ・・ってしみじみ痛感しております‥うん・・大好きっ♪(*´σー`)いつも癒してくれてありがとうございます♪次のお話も楽しみに待っています♪ (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - りんごさん» ありがとうございますー!私の中でもKFの組み合わせは特別です。それだけに「こんなの書いてていいんだろうか…」とコソコソ書いてます(笑) これからもよろしくお願いします。 (2018年7月31日 1時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - たいちゃんらぶさん» Sさんには本当にピュアなイメージしかなくて、Fさんはそういうところを昔から見ていて可愛いんだろうなと思います。Sさんから見たお兄ちゃん達の関係は、私も書いてて楽しいです♪ (2018年7月31日 1時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 前からもふさんの作品を読ませていただいてますが、ほんとに大好きです。。どのCPも好きですが、やっぱり北藤は特別なので今回の作品もきゅんとしました!これからも応援しています。 (2018年7月28日 10時) (レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もふ | 作成日時:2017年8月9日 20時