記憶の果実 S �� ページ43
**S
ずっと、お兄ちゃんが欲しかった。
親や友達には相談しづらいことができた時、話を聞いてもらうだけで安心できる人。
そんなお兄ちゃんに憧れていた。
【大丈夫だよケント。
ケントが頑張ってることは、俺ちゃんと知ってる】
【うるさい奴は気にするな、何かあったらいつでも話聞くから】
【無理に変わらなくていい。ケントはそのままでいいよ…】
ふいに出てきた、数年前のアイドル雑誌。俺とガヤさん2人でイチゴを食べさせあっている。
この頃は特に多かったな、こういうの。
久しぶりにこんな懐かしい写真を見たせいかなあ。
昔抱いていた憧れを思い出したのは…。
「1、2、3…で、移動…これくらいのタイミングでハマる？もっと早いほうがいいの？」
「それで大丈夫だよガヤさん。次がね、こう…」
ツアーがあると、各地によって覚えなきゃならない変更点は多い。
ガヤさんはドラマの撮影で、打ち合わせに参加できる時間が限られていた。
「ありがと。ケントが教えてくれて本当に助かるわ。もう俺ひとりだとテンパっちゃってさ」
「そんな、これくらい。俺でよければいくらでもつきあうから」
「頼りにしてます、先生(笑)」
実はこの日ライブの楽しみとは別に俺達メンバーから、もうすぐ誕生日を迎えるガヤさんへのサプライズを計画していた。
その日２度目の公演が盛り上がった頃。
打ち合わせどおりのニカの演技に、ガヤさんが上手くかかってくれて
サプライズでバースデーケーキを登場させることができた。
驚き、困り顔で照れるガヤさん。 更にその上ミツがイチゴを食べさせる流れに。
もちろん会場の熱気は最高潮に達した。
──先日見た雑誌…あの撮影をよく覚えてる。
ガヤさんは俺がリラックスできるよう、笑って話しかけてくれた。
それは兄のような気遣い、のはずなのに。
あのイチゴは甘くて…少し酸っぱかったね。
俺、ずっとドキドキしていたんだよ。
ガヤさんの手が触れた、頬が熱かった──
歓声の中、妙に距離を取るミツとガヤさん。
2人の間にはフォークに刺さったイチゴ。
気づいたよ。
なんでもないふうにイチゴを口にしたガヤさんが
一瞬だけ滲ませた、幸せそうな瞳の色を。
2人の間には距離なんてないことを。
俺は
大切な人には、いつも笑顔でいてほしいと思う。
たとえそれが自分に向けられたものでなくても。
お誕生日おめでとう、ガヤさん。
あなたが…ずっと幸せでありますように。
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とも(プロフ) - こんにちは！リクエスト大丈夫ですか？ (2017年8月11日 13時) (
レス) id: 6b1b9c2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - Kyamさん» ありがとうございます。そう言っていただけるとコソコソ書いた甲斐があります(笑) 本当に7人全員が可愛くて、この子だったらどう動くかしらと勝手に妄想するのが楽しいんですよ。よかったらこれからもコソコソ更新におつきあい下さいませ♪ (2017年8月7日 0時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
Kyam(プロフ) - キュンと優しさで溢れるもふさんのお話大好きでいつもほっこり癒されています(*´`)こちらこそコソコソ読ませて頂いておりますが笑、これからも更新楽しみにしています！ (2017年8月5日 12時) (レス) id: db906d4599 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 我ながら随分なこじつけだなーとの自覚はあります(笑) Fさんは本来は感受性豊かなコだと思うし、メンバーはそれを知ってくれてると思うんですよね。ただ「織姫」ワードは自分でも書いてて照れました…今後ともぜひよろしくお願いします♪ (2017年8月4日 12時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - たまりません♪たいぴの涙をみた宮っちの語りも良いし･･千ちゃんのﾋﾟｭｱさはいつでも癒され･･羨ましいって言うたいぴにｷｭﾝと切なくなりました♪俺の織姫←ひぃぃ･･( ;∀;)って悶えました♪これからも楽しみにしてますっ (2017年8月2日 21時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふ
| 作成日時：2017年1月8日 0時
