隠したものは Y �� ページ33
**Y
風になびく草、花に戯れる小さな命。
ごく当たり前の風景もカメラを通して覗いてみると、初めて目にするような新鮮さがある。
最近は無意識のうちに、被写体を探している。
カメラの手入れはこれぐらいにして…
台本を見ながらうたた寝してしまった太輔を、そろそろ起こそうか。
最近特に忙しい太輔。
疲れているはずなのにこうして会いに来てくれた恋人の、眠りを妨げるのは忍びないが…
夜眠れなくなると辛いだろうしね。
「たいす…」
声が止まった。
思わず魅入ってしまったんだ。
掛けてやったブランケットから覗く綺麗な額。
少し前に俺を見つめてくれていた瞳は、今は柔らかく閉じられている。
手にしていたカメラを持ち上げた。
何よりも魅力的なカットを見つけたから。
…って俺、
眠っている太輔を勝手に撮るだなんて、、何考えてるんだ。
頭を振りつつ、手を降ろそうとしたが…
「撮らない、覗くだけ…」
ファインダー越しの太輔はどんなふうなのか見てみたい誘惑に負け、カメラを構えた。
小さな四角に収まった眠っている恋人は、世間に出回るグラビアや映像の艶やかな姿とは違い
もっとナチュラルで無防備で…
「可愛い…」
思わず声がでてしまう。
気を許しているからであろう見せてくれる、こんな姿を写真に切り取り
自分だけ所有しておきたい誘惑にかられた。
ほら、涼やかな目が開くともっと魅力的な…
「……わた…？」
「わっ…わーっっ！」
ファインダーの中の太輔が驚いた目でこちらを見ていた。
思わずカメラを落としそうになる。
「ワタ、なにして…」
「ご、ごめん！撮ってないから！
ただ、どんなふうに見えるかなって」
「、、びっくりした」
「ほんとごめん。寝顔が可愛くて、つい…。
いやー太輔ならどんな美女とも張れるわ！マジ魅力的な写真になるよ」
一瞬、笑っていた太輔の目が翳った。
台本に手を伸ばしさりげなく視線をそらす。
「起こしてくれてありがと。また夜眠れなくなるとこだったよ」
太輔のことは知ってる。
目を合わさず話を変えるのは、何か思うことがある時だ。
ページをめくる手をそっと押さえた。
「太輔ごめん。そんなに嫌だった？」
「やだなワタ、別に気にしてないよ」
「ううん、してるでしょ。
それとも俺なんか嫌なこと言ったか」
笑みを作りはぐらかそうとするのを遮ると、横を向いて黙り込む。
太輔が口を開くのを待った。
「…目の前にいるのにな、って思ったんだよ」
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とも(プロフ) - こんにちは！リクエスト大丈夫ですか？ (2017年8月11日 13時) (
レス) id: 6b1b9c2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - Kyamさん» ありがとうございます。そう言っていただけるとコソコソ書いた甲斐があります(笑) 本当に7人全員が可愛くて、この子だったらどう動くかしらと勝手に妄想するのが楽しいんですよ。よかったらこれからもコソコソ更新におつきあい下さいませ♪ (2017年8月7日 0時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
Kyam(プロフ) - キュンと優しさで溢れるもふさんのお話大好きでいつもほっこり癒されています(*´`)こちらこそコソコソ読ませて頂いておりますが笑、これからも更新楽しみにしています！ (2017年8月5日 12時) (レス) id: db906d4599 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 我ながら随分なこじつけだなーとの自覚はあります(笑) Fさんは本来は感受性豊かなコだと思うし、メンバーはそれを知ってくれてると思うんですよね。ただ「織姫」ワードは自分でも書いてて照れました…今後ともぜひよろしくお願いします♪ (2017年8月4日 12時) (レス) id: 7096c68f9a (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - たまりません♪たいぴの涙をみた宮っちの語りも良いし･･千ちゃんのﾋﾟｭｱさはいつでも癒され･･羨ましいって言うたいぴにｷｭﾝと切なくなりました♪俺の織姫←ひぃぃ･･( ;∀;)って悶えました♪これからも楽しみにしてますっ (2017年8月2日 21時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふ
| 作成日時：2017年1月8日 0時
