不器用だけど (ページ6)

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2.3年経ったある日
龍斗くんの家で晩御飯を食べていると

『もしかしたら転勤することになるかもしれない』

と言われた。いきなりでびっくりして、言葉が上手く出なかったけど。龍斗くんが付け足すように

『まだ決まったことじゃないから』

って。決定じゃないけど、可能性はあるって言うことだよね。

「そうなんだ」

上手い返しが出来なかったけど、龍斗くんは別に気にする様子もなくそのあともご飯を食べ続けていた。
明日遊びに行くかもっていうトーンで言うからさ、深刻なことでもないのかなって思った。

『ご馳走様』

けど、食べ終えた食器を持っていった龍斗くんの背中を見ていると、転勤が決まったらこうやってご飯も食べれなくなるのかなって、少し寂しくなった。

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