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放課後。誰よりも早く帰りの支度を済ませ一目散に教室を飛び出したはずなのだが、先回りして下駄箱の前で待ち伏せていた人物がいる
「ねぇ瀬川さん。良かったら僕達と帰らない?」
そこにはコナンを筆頭とした少年探偵団の姿が。瀬川も驚いた様子であった。仮にも呪術師として任務をこなした彼女、現役より多少衰えた(というか幼くなった)とは言え常人を欺くなど造作も無い……はずなのに。
何なんだこの子達は。というか最近の小学生はこんなにも勘が鋭いのか。瀬川はひたすらに困惑していた
「お家ってどの辺なんですか?」
「1人で帰るのは危ねぇって小林先生が言ってたぞ!」
「歩美、もっとAちゃんとお話したいもん!ダメ?」
これが、純粋無垢な子どもの力。断れば罪悪感に駆られる事だろう。向けられた善意を踏みにじるほど、瀬川の心は穢れていない
『……いいよ、帰ろう』
「やったあ!」
気の乗らないまま、6人揃っての下校となった。こんな大人数で帰るのは初めての経験で最初のうちはそわそわと落ち着かなかった
特にコナンと灰原からの視線が痛く、言動一つ一つに気を使ってしまう…確実に怪しまれているのだ。下手な事は出来ない
「Aちゃんってさ、うさぎさん好き?」
『兎…?まぁ好きな方かな』
「なら!今度歩美達とうさぎさんをお世話しに行かない?」
「クラスでうさぎのお世話当番があるんですよ!歩美ちゃん、お休みの日も欠かさず小屋の掃除をしているんです!」
「えへへ、だってうさぎさん可愛いんだもん!」
『(ああ、それでこの子には兎の霊が憑いているのか)』
守護霊は多ければ良いってものでも無いが、この子は本当に動物が好きなのだろう。世話を焼いて沢山愛情を注いで、だから死んだ兎達にも好かれているのだ。……動物だって同じ生き物。自分に尽くしてくれた分だけ必ず返してくれる
この調子なら少々危険な目に遭っても死にはしない。兎達が守ってくれるだろう
『……吉田さんは良い子だね』
「え?」
『きっと、お世話になった兎達も喜んでるよ。そしてどこかで必ず恩を返してくれる』
「そ、そうかな!ありがとう!!」
……少し足を止めれば、5人が仲睦まじく歩いている。肩を並べくだらない話で笑い合うこの光景がどこか懐かしく感じたそうだ。瀬川自身にもこんな時代はあったから。3年にも満たない青い春を思い返せば、自然と笑みが零れる
"あいつらも、元気してるといいな"
そう呟きながら。
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ふ。 - 4ページの堅苦しい家庭のところのやつドブカスじゃあねぇか笑 (4月21日 0時) (レス) @page4 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!控えめに言って凄くおもしろかったです(*≧∀≦*)やっぱり帝丹小学校の転校生はただものじゃないですね( ˊ̱˂˃ˋ̱ )頑張ってください!応援しています☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年10月15日 14時) (レス) @page44 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
リンリ - 面白かったです‼️ 続きが気になる〜😆応援シテマスッ😆 (2022年10月10日 15時) (レス) @page28 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ&ピーナッツ(プロフ) - �猫さん» ありがとうございます!お話の書き方は特に拘りは無くて、感覚で書いてるものです…!あと曖昧な表現は辞書を引くことですかね🤔本当にそのくらいしか…!でもありがとうございます!嬉しいです!!! (2022年6月1日 23時) (レス) id: 827ada299b (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 神!作品が!神!どうやったらそんなに面白く、引き込まれるようなお話の書き方ができるんですか!?尊敬しかないです! (2022年5月30日 20時) (レス) id: b68ee5d058 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チョコ&ピーナッツ | 作成日時:2022年5月20日 18時