米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

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「っぶねぇ……あのまま貨物車にいたらやばかったな…」


黒い煙が立ち上る列車を見ながらそう呟く。先程までの灰原の声ではなく若い男性の声。それが怪盗キッド本人だとは、瀬川は気づかなかったそうだ


『…はい、このハングライダーお兄さんのでしょ？』

「！なんでそれ…」

『貨物車に隠してあるの見つけた。なんでこんな物持ってきたのか知らないけど』


その時、後方から誰かの声が聞こえる。正体は床につっ伏していた安室。覚醒する前なのかうっ…と声を漏らし今にも瞼が開きそうである。この男、麻酔を食らったのにもう起きてしまうのか

その様子に瀬川と怪盗キッドは慌てふためく。今こいつに起きられたらまずい。身代わり作戦が台無しになる、と。



『ちょ…！お兄さん早く行って！』

「え、えぇ……お嬢さん。助けて頂きありがとうございます。この御恩は必ず…」

『いいから！！！早く！！！！！』


灰原の姿で口説かないで欲しい。小声で怒鳴りつけ、無理やり列車から脱出させた。ハングライダーが谷間を優雅に飛んでいく様子を見守った後…


『店員さん、店員さん起きて！』



マカデミー賞ものの名演技。目に涙を溜めながら安室を揺する。2、3回ほどするとうっすら目を開けた


「……うっ…、君、は」

『あのねあのね、トイレに行ったら皆とはぐれちゃって！火事だって色んな人が騒いでて…！』


ボロボロと涙が頬をつたう。完全に小学一年生だと思い込んでいる安室は、瀬川を1人きりにさせるには気が引けた。


『あとね、列車が爆発してね…列車に女の人が乗ってたんだけど……大丈夫かな…』

「女の人…？」

『うん…赤みがかった茶髪のお姉さん』

「！」

ということは、灰原があの中に。子どもの証言があるなら間違いないだろうと踏み、瀬川を安全な場所まで避難させることを優先した

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