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「んもう!こうなったらアドリブして貰わなきゃね!
…さて、初めまして。工藤有希子です!あなたは哀ちゃんのお友達なの?」
『あ、えっと…私は』
「ええそうよ。私と瀬川さんは友達」
先程までの威勢はどこへ行ったのか……友達だと啖呵をきったのはいいが、灰原に迷惑がかかるんじゃないかと一瞬迷ったらしい。けれど灰原は瀬川の腕を掴み、周りを警戒しながらもそう答える。
こんな状況下ではあるが、瀬川は嬉しそうに微笑んでいた
「あら!じゃああなたが瀬川Aちゃんね!新…コナンちゃんから聞いてるわ〜」
『灰原さん、この人って…』
「江戸川くんの親戚よ。変装じゃなければ…だけど」
「んもう勘繰り過ぎよ哀ちゃんは〜!大丈夫。私は本物だから!」
信用してもいいのだろうか。悪い人で無い事は確かだけど、まだ油断は出来ない。警戒しつつも沖矢と有希子を交互に見つめる。
「話し込んでいる場合では無いようですね。奴らが動き始めた」
「そうね。取り敢えず哀ちゃんとAちゃんはそこの部屋で待機しててくれる?」
有希子が指したのは、7号車のB室。密室殺人の被害者となった乗客の部屋である。ここなら誰かが入ってくる心配は無い。
憶測だが、この火事騒ぎも灰原を炙り出す為のフェイクであろう。下手すれば自分も巻き込まれるのに、爆弾を積んだまま火を放つなどありえない
「ここにいれば安全だから。後で新…コナンちゃんがこっちに来てくれるわ。何があっても出てきたらダメよ。いいわね?」
そう2人に強く言い聞かせる。組織との接触を避ける為、そしてこれ以上危険な目に遭わせない為だ。
怯えながらも静かに頷く灰原。一方で瀬川は、神妙な顔つきのまま首を縦に振らない。どうやら納得していないらしい
「……君、待ちぼうけを食らうのはご不満かな?」
『…うん』
「そうか………なら、少々私の手伝いをしてくれませんか?」
瀬川と目線が合うように、屈んで彼女の顔を覗き見る。
『…私でも、出来ることがあるの?』
「先程の強さがあれば充分さ。あと玩具でもいいから、銃の類を扱ったことは?」
『射撃を少し。幼い頃に習った』
「なるほど…適役だ」
沖矢の誘いで、別行動をすることになった瀬川。しかし彼の後をついていこうと走り出す前に、灰原が彼女の手を掴み引き止めたのだ
まって、と弱々しい声が聞こえる。振り返らずにはいられなかった
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ふ。 - 4ページの堅苦しい家庭のところのやつドブカスじゃあねぇか笑 (4月21日 0時) (レス) @page4 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!控えめに言って凄くおもしろかったです(*≧∀≦*)やっぱり帝丹小学校の転校生はただものじゃないですね( ˊ̱˂˃ˋ̱ )頑張ってください!応援しています☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年10月15日 14時) (レス) @page44 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
リンリ - 面白かったです‼️ 続きが気になる〜😆応援シテマスッ😆 (2022年10月10日 15時) (レス) @page28 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ&ピーナッツ(プロフ) - �猫さん» ありがとうございます!お話の書き方は特に拘りは無くて、感覚で書いてるものです…!あと曖昧な表現は辞書を引くことですかね🤔本当にそのくらいしか…!でもありがとうございます!嬉しいです!!! (2022年6月1日 23時) (レス) id: 827ada299b (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 神!作品が!神!どうやったらそんなに面白く、引き込まれるようなお話の書き方ができるんですか!?尊敬しかないです! (2022年5月30日 20時) (レス) id: b68ee5d058 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チョコ&ピーナッツ | 作成日時:2022年5月20日 18時