米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

２８. ページ30

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「流石に姉妹だな…行動が手に取るように分かる」


突然灰原の前に現れた青年。火事でアパートが燃えて以来、工藤新一宅へ住んでいる沖矢昴……恐らくは偽名であろう。
会った時から、只者ではないと感じていた。けれど隣に住まわれた以上接触は避けられない。灰原自身も警戒はしていた……だが、


「さぁ…来てもらおうか。こちらのエリアに…」



スマホを片手に不気味な笑みを浮かべる沖矢に息を呑んだ。この姿で殺される訳にはいかない。震える足を動かして走り出そうとした……その時。

──地を蹴る音が聞こえる。間髪入れず何かの影が差し込んできた。沖矢に…何者かが迫っている


「！」


見えた、誰かの蹴り。咄嗟に左腕で防いだ。咄嗟に空いた右手で殴り掛かるが、空中で上手い事躱されてしまう

この身のこなし。手慣れた人間かもしれないと構えを取る沖矢だが………着地した相手を捉えた瞬間、大きく目を見張った



「子ども…！？」

『(今の反応出来んのかよ！くそっ！！)』


心の中で舌打ちをした瀬川。飛び蹴りを食らわせ、相手が怯んでいるうちに灰原を連れ出す算段であったのだ。

常人とは思えない反応速度。そして隙のない構え。この男もまた、手慣れた人間である。じっと相手を見据え次の手を考える。不意打ちはもう通用しないだろう…真っ向から勝負を仕掛けるしか無い、と。


「…逃げて！！お願い逃げて！！！あなたまで殺される！」

『……じゃあ、もしかして…！』


狙いは灰原。でもどうして。何故こんな子どもが狙われるのか。



『でも、私が逃げたら灰原さんが殺される』

「私はいいの！！！組織の裏切り者なんだから！！だからお願い逃げて！！！」

『…っ逃げない！！！友達を置いて逃げられる訳！！ないでしょ！！！』


遮るように、声を張り上げる。こんなに感情的に叫ぶのは久々であった。


『(さっきの構え…見覚えがある。ジークンドーだっけ)』


だが不思議と先程までの敵意は無い。元呪術師とはいえ、大人と子どもであれば当然力で負ける。力量だけで言えばの話だが…

けれど攻撃してこないのは何故か。密かに呪力を高め術式を使う勢いだったが、今はただ困惑している



──そんな中、さらにこの状況を惑わせる人物が。


「あらぁ？キャストが1人増えてるじゃない！新ちゃんってばもう！説明しておきなさいよ！」

「『…？』」


間の伸びた女性の声が、緊迫した空気から妙に浮いていたのだ

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