米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

２７. ページ29

近辺の運行情報を調べれば、列車の「スジ」が見えてくる。そこから終着駅を割り出し様子を見に行ったところ……爆弾が仕掛けられていたと。



「…………嬢ちゃん、頼れるのはお前だけなんだ。協力してくれないか」

『……それは勿論だけど…そもそも誰が狙われてるのか知らなきゃ』



今は密室殺人の事で車内が騒然としている。この混乱に乗じてまた人を殺すのか…？早いうちに対処しなきゃ…と瀬川は考え込んだ



「班長！今からそいつに爆弾の解体を頼んでも間に合わねぇ！数が多すぎる！」

「そうか……なら、どうすれば…！」


松田の言葉に、悔しそうに歯噛みする伊達。霊達はこの世の人や物には触れられない。だから瀬川に解体を頼むつもりだったが、名古屋到着まで約1時間。全ての爆弾を解体するのはほぼ不可能…


『……じゃあ、いっその事爆発させたらいいんじゃない？』

「「「！？」」」


突拍子もない瀬川の発言に、全員の表情が固まる。


「正気かお前！？爆発すりゃお前も死ぬんだぞ！？」

「いやでも……このまま名古屋に到着した所で爆弾が仕掛けられている…この列車、殺人事件が起きたのに、近くの駅で止まる気は無いみたいだ」

「そうか……ならより規模のデカい爆発で。脱線騒ぎになりゃ流石に停車させて乗客を避難させるもんな」

「けど……Aちゃんも危険な目に合うんだぜ？本当に大丈夫か？」



萩原の問いに、不敵な笑みを浮かべて頷いた。彼女の考えでは爆弾を仕掛けた犯人の目を欺き、罠にハマったと見せかけて爆発させる……果たして上手くいくのだろうか



『貨物車って8号車の後ろよね？だったら連結部分を壊せば、爆発させたってこっちの車両に被害は無いと思う』

「確かに……！それならいけるかもな」

「本当にただの小学生かお前？あまりにも賢すぎないか？」

『さぁ？』


後は犯人達を見つけるだけ……けれど、何もヒントが無い。コナンは今、密室殺人の謎を解いている最中だ。力を借りる事は出来ないだろう。
頼れるのはこの霊達……手当り次第に探って怪しい人物を突き止めて貰うか。そう思った時だった


「ん？あの子1人で何してんだ？」

『……灰原さん？』


皆で待機していたはずの部屋から、灰原が出てくる。危ないから不用意にうろつかないようコナンに言われたばかりなのに……
特に灰原は大人びていて聞き分けも良く、賢い子だ。意味が分からないはずは無い。


──嫌な予感がする。



こっそり、後をつけることにした

２８.→←２６.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す