米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

２４. ページ26

「な、7号車が消えた！？……ハハ、そんなバカな」

「ホントにホントだもん！」



事の経緯を近くの車掌に説明するも、子どもだからかまともに話を聞いてくれない。撃たれた当初は推理クイズだと思っていた為、コナン達もすぐには知らせられなかったのだ

このミステリートレインには、車両ごとに車掌が待機しているらしい。客車の廊下の一番後ろで座っており、部屋ごとの呼び鈴が鳴ると車掌がやって来る。そして厄介な事に、列車にはオーナーの意向で車両番号を車内に表示していないそうだ。これでは何両目か確認もできない


──再び車両1つ分移動し、今度こそ7号車であることを車掌に確認してからＢ室を覗いてみる。


「…あれ？」


けれどそこにはまた、蘭達の姿が。


「あ、あのさ……ここってホントに」

「8号車だって言ってんでしょ！？ガキんちょは部屋に戻って大人しくしてろっつーの！」


園子に閉め出され、再び部屋の前で考え込む。車掌の勘違いでは無いかと眠たそうに欠伸をする車掌を横目に見たが……最初に部屋に入った時、世良がカードのような物を持っていたことを思い出す

そしてもう一度、蘭達の部屋を開けたのだ



「ちょっとあんたねぇ…」

「……この部屋ってさー。本当の本当は7号車のＢ室…だよね？」

「だ〜か〜ら〜〜！！」

「園子姉ちゃん達も貰ったんでしょ？これに似たカード！んで、それに書いてある指示通りにしたんじゃない？この部屋にいた被害者役の人と一時的に部屋を入れ替わって、訪ねてくる探偵達を騙して迷わせろって

違う？」


コナンの推理に、黙り込む園子。横から蘭と世良が嬉しそうに教えてくれた

誰かにノックされ扉を開けたら、コナン達が貰った物に似た封筒が落ちてて、中には"おめでとう！あなたは共犯者に選ばれました"と書かれたカードが入っていたそうだ。

そして被害者役の乗客と入れ替わったのだと。


「それよりはじめまして、だよな？」

「え？」

「君だろ？灰原って子！手前の子は…さっき自己紹介してた瀬川さん！」

「あ、あぁ」


初対面の瀬川と灰原を交互に見やり人懐っこい笑みを浮かべる。怯えているのか、灰原は瀬川の後ろに隠れ彼女の上着の裾をずっと掴んでいた

息を殺し、手が震えている。この子やっぱり何かあるんじゃ…と瀬川が心配そうに声をかけた途端


「誰だ！」

『！？』


急に、世良が声を上げる


「な、何？」

「今、扉越しに誰かが覗いてた………──って思ったけど。気のせいか」

『……』

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