米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

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『そっか…思い出したよ』


今考えればあの時の女の子と気配が似ている。里香が守る、という言葉はこういう意味だったのかと気づいた。

尚更、この青年を死なせる訳にはいかない。そう意気込んで、今度は瀬川が乙骨を庇うように前に出た。ちゃっかり彼が手に持っていた刀もくすねて



『お兄さん、刀借りるね』

「…えっ！？えっ！？！？」


呪具の方が扱いやすい。日本刀は久々に持つが、自然と手に馴染む。刃先を相手に向け構えを取る瀬川。一方でいつの間に呪具を取られたのかと、自分の手と瀬川を交互に見て驚く乙骨。


この呪霊の数ならいっその事領域を展開させた方が早い。けれど、現役時代でさえ1度も成功しなかった領域展開を今、この身体で試すのはまずい。下手すれば乙骨も巻き込みかねないし、彼の危機を察した里香ちゃんが飛び出す可能性もある。一体一体を確実に払うしかないと考えた



「す、凄い…あの子の動き、洗練されてる」


呪霊達を前に怯まず、尋常ではない速さで斬る様子を呆然と眺めていた。


……初めて明かすが、瀬川の術式は"衝戟呪法"。打撃・斬撃・銃撃に衝撃波を加えられる。本来外部にかかるはずのインパクトを身体の内部に与えることが出来るのだ。

術式に合わせ自身の基礎体力も磨いた為、実力で言えば準一級…もしくはそれ以上に相当する。小学生なのに桁外れたパワーを引き出せるのも、それが理由である



「…！瀬川さん危ない！！」

『！』


背後から現れた呪霊。咄嗟に動いたため丸腰の乙骨だったが、あろう事かそいつを殴り倒す。細身の体型から想像できない腕力に、少しだけ引いた瀬川であった。この青年もまだ伸び代があるのだろう



『乙骨くん！これ！！』

「うん！」


残り数体。乙骨に刀を投げ渡した。それを受け取ると目にも止まらぬ速さで斬り掛かる。あっ、と息を呑んだ時には既に崩れた本体が見えた。かなり手強そうな呪霊だったから意図的に最後まで残していたのだが……

改めてこの子、やばい。五条悟の元でどれだけ成長出来るか楽しみであるも同時に、少し怖くなったらしい


『……凄いね。乙骨のお兄さん』

「…へ！？いや今のは体が勝手に…！というか瀬川さんだって凄かったよ！おかげで僕も助かったんだし」


頬をかいてはにかむ乙骨。こういうタイプがいずれ人誑しになっていくのだろうと、彼の優しそうな笑顔を見て思ったそうな

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