米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

９. ページ11

「いやー大変なもんだね公安様も！任務こなして組織潜り込んでその上アルバイトだぁ？それ以上稼いでどうすんだよ」

「零、オレが教えたレシピ…覚えててくれたんだな」

「にしても、可愛らしい嬢ちゃん達だな！こいつは将来有望だぜ」

「おいハギ。その辺にしとけよ…」


この霊達、視えないからってやりたい放題である。この安室と呼ばれる店員と知り合いなのだろう。席に着いてからも安室や子ども達の周りをうろちょろと。迷惑極まりない、とでも言いたそうに瀬川は大きく溜息をついた



「ご注文は何になさいますか？」

「歩美！美味しいケーキが食べたい！！」

「俺もー！」

「僕もです！」

「そっか！なら今度新商品として出そうと思っているケーキを作ったんけど、良かったら味の感想を聞かせてくれないかい？」

「ええっ！？お兄さんが作ったの！？すごーい！！」


ハナから警戒心のひとつも無かった子ども達は、すっかり安室と仲良くなり楽しそうに会話を弾ませる。一方で鋭い眼差しを向けるコナンと、スマホに目を落とし黙り込んだ瀬川

不意に立ち上がると、スマホを持ったまま出入口へ歩いていく


『……お母さんに電話してくるね』

「うん！分かったー！」


扉を開けた際、ほんの一瞬カウンターの方へ目をやった瀬川。視線の先に人の気配は無いはず…怪しむようなものでもあったのかと思えば、何やらハンドサインをしている。まるで誰かを手招きしているように



ーーー



ーー





ー



『………で？誰なのあんた達』

「「「「……え？」」」」



路地裏へ着くなり、そう話しかけた。周りに不審に思われないよう耳にスマホを当てあたかも電話しているような仕草をしながら。

そう、瀬川は霊の存在に気づいていたのだ


「や、やっぱお前！！！俺達のこと視えてんのかよ！？！？」

『生憎、そういう体質なもんで。だからあんた達を呼び寄せたんじゃない』

「じゃあさっきの会話もか！？やべぇ俺！色々喋っちまった…！」

「何やってんだよ班長！！」


公安、組織、零。聞き馴染みのない単語ばかりだが、きっと只者ではない。下手に踏み込めば巻き添えを食らうだろう、と4人の霊を見ながら静かに息を呑んだ

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