【wrwrd】知らない街を見下ろすだけ【逆ハー】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,581 hit

2話ページ4

(my*side)
口の中にクリームの甘さが広がる。ここのカップケーキは世界一。
cn「はい、これAさん宛ての」
チーノから手渡されたのは一通の手紙だった。
cn「シャオロンにも後で渡そうと思ったんやけど、ちょうどいいから」
どうやらシャオロンも私と渡された手紙と同じようだ。
sha「あ～、これ…」
『もうこの時期かぁ…』
「『定例会』」
エッダ地方のジムリーダーは3ヶ月に1度だけ中央都市のベルリーシティに集まって会議を開くことになっている。

sha「チーノは2回目やね」
口にクリームをつけたシャオロンが口を開いた。
cn「そうなんすよ～…。もういややわ、あんなん…」
チーノは頭を抱えて項垂れてしまった。定例会がよっぽど嫌なんだな。
『そんな気負うことないわよ』
空になったティーカップにお茶を注ぐ。
cn「東の人は怖いし…南の人はかたっくるしいし…北の人は人との距離近いし…」
エッダ地方が4地域に別れてど5年くらいは経っただろうか…。もっと前は違いなんてなかった気もする。
sha「案外話してみると大丈夫やで。まぁ慣れるまで時間と回数はかかるかもな」
『こんなときじゃないと私たち、なかなか遠出できないしね』
チーノは苦笑いとも見える複雑な表情を見せた。

───

cn「それで？なんでわざわざ汽車なんですか？」
『そんな機嫌悪くしないの』
チーノはひこうタイプ使いだから普段はポケモンで移動することが多く、交通機関を使う方が珍しいようだった。
sha「ほら、いくで」
シャオロンが私のトランクを持ってくれた。
昔からさりげなく優しいのは変わらないなぁ…。
そんな思いに浸る暇もなくベルリーの人々の流れについて行くのに精一杯だった。
駅のアナウンスが絶え間なく流れていた。