12話 ページ14
ut「これはアカンわ…」
『え？』
ut「ごめんな！また連絡するわ！」
「は…？」
鬱さんは泣いている彼女のことを放っておき、私の腕を掴んだまま走り出した。
『鬱さん！？』
ut「俺、彼女いないんで！！フリーやから！勘違いせんといてねAさん！！」
いや、今知りたいのはそんなことではない…
決して速くは無かったが、しばらく走ると駅からはだいぶ遠ざかってしまった。とりあえずあの美女さんの目から逃れることが出来てほっとした。
ut「ほんま参ったわ〜…なんだか災難やね僕ら」
なにが"僕ら"なのか。今日のことで鬱さんは気が利いて優しくて女性の扱いが上手いことがわかった。しかし同時に、彼は女たらしなのかもしれない…そんな疑惑が浮上してしまった。
すると、鬱さんの携帯から着信音が鳴った。
ut【…なんや】
??【大先生！！？フィッティングの時間に来てないんやけど！あの子！】
電話の相手は凄まじいくらい大声で話すので私にも内容がだだ漏れだ。
ut【あー…たぶん来ないで】
??【はぁ！！？？なんでお前がわかんねん！！】
ut【いやぁ〜…さっきたまたま出くわしたねん】
rbr【はぁ！！？？】
ut【そゆことで、ロボロ。後は頼んだ】
rbr【おい！！大先せ…】
内容を聞くかぎり、"あの子"とはさっきの美女さんのことだろう。でも先程の事件でモデルの仕事をドタキャンした…という感じ？ややこしいことになってる…
ut「はぁ…」
鬱さんは頭を抱えて大きなため息をついた。
ut「なんか急に職場に戻らんとあかんみたいやわ…ほんま申し訳ない！！」
『お仕事大変そうで…』
ut「いやいや大したことないんやけどね。もっとAさんといたかったわ〜」
今の彼の意図ははっきりとわからなくなってしまった。
ut「ほんじゃ」
そう言って彼は私の進行方向と逆に歩いていった。
『さよなら』
小声で言ったはずなのに、彼はそれに反応したかのようにヒラッと手を振ってくれた。青いワンピースも返した。お礼も言った。折りたたみ傘も渡せた。何もやり残すことはないのに私の方が名残惜しい気持ちになってしまった。これで終わりにしようと思って家を出たのに、帰り道はまた会いたいという気持ちの方が大きく膨れ上がった。振り回されてしまったのに彼の違う一面が見れて楽しかったのだ。
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ハリヤマ(プロフ) - *＊緋奈＊*さん» コメントありがとうございます！並びに返信に遅れてしまい申し訳ないです！寒くなると上着も可愛くなってメイクも派手になるので素敵ですよね！頑張らせていただきますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年11月17日 22時) (
レス) id: 5aa06bc1f4 (このIDを非表示/違反報告)
*＊緋奈＊* - 作品読ませて頂きました！主人公ちゃん可愛いです…、そしてsyp君かっけぇです…、秋って可愛い服増えますよね!ベレー帽とか! 季節の変わり目で体調崩しやすいので無理なさらないで下さい！応援してます！！ (2019年10月5日 22時) (レス) id: d503bc641e (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤマ(プロフ) - 万雷の拍手を。さん» ありがとうございます！まだまだ序章に過ぎないですが、完結まで書ききれるようにがんばります。今後ともよろしくお願いします！ (2019年9月22日 14時) (レス) id: 5aa06bc1f4 (このIDを非表示/違反報告)
万雷の拍手を。(プロフ) - すごく好きな作風で感激しました。描写が丁寧で、キャラもしっかり立っていて読みやすいです。ゆっくりでいいので、最後まで書き続けて頂きたい、、！応援しています！！ (2019年8月27日 4時) (レス) id: daf68480a8 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤマ(プロフ) - 紫雨??さん» 読んでいただきありがとうございます。改行に関しましては私も気になっていたところでした。出来るだけ増やせるように努めますが、私も試行錯誤して作っているのでご期待に添えない部分があると思います。申し訳ありません。 (2019年8月23日 23時) (レス) id: 5aa06bc1f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリヤマ | 作成日時：2019年8月14日 1時
