伊達メガネ〜MG〜 ページ27
外に出ようと歩いてたら、廊下の向こうにAが見えた
いつも一緒にいる子と歩いてる。
Aはさっき活躍した子とは思えないくらい
下を向いて、顔を隠すようにして歩いてた。
活躍したんだからもっと胸張ればいいのに・・・
一緒にいる子が俺に気づいて、Aに何か言った。
ピタッと立ち止まったAは友達と別れて
逆方向にダッシュしていく。
残された友達は困った顔でこっちを見て笑ってる。
俺はゆっくり近づいて行って声をかけた。
「仲いいんだ、いつも一緒にいるよね。」
「小学校からずっと一緒なんで。」
「彼女、どうしちゃったの？走って行ったけど」
「先輩に顔を見られたくないって…メガネしてないし・・・って。」
そんなに嫌わなくてもいいのにな・・・何もしないよ。
「試合見てたけど、メガネなくても見えてるの？」
「伊達メガネですよ？(笑)小６から・・・」
「どういうこと？」
Aの友達…ユナちゃんが
伊達メガネをかける理由を教えてくれた。
「その男子、彼女のこと好きだったんだね」
「私もそう思うから、気にするな！って
ずーっと言ってるんですけどね。
ダメージが大きかったみたいで…
メガネをかけて、大人しくして普段は…
特に学校では目立たないようにしてるんです。」
「今日、めっちゃ目立っちゃったね(笑)」
「本当は運動神経もいいし、スポーツも好きだから
あんなことされて、負けず嫌いに火がついちゃったみたいで(笑)
素が出ちゃってましたね。私も久しぶりにあんな姿を見ました。」
「そっか・・・ 彼女、ダンスもやってる？」
「なんで知ってるんですか？」
「ちょっとね(笑)話せてよかったよ。
かっこよかったって彼女に伝えといてくれない？」
「はいっ！！！」
ユナちゃん、ありがとう。
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作者名：miel | 作成日時：2018年2月1日 21時
