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雷雨 ページ9

雨の日だった。

天気のせいかお客さんが少なくて、今日はすごく暇そう。

その分、ナミさんがいっぱい見れるからいいけど〜。





海のほうが暗くなってきてる。

真っ黒な雲がどんどんこっちに近づいてきていた。




『ザーッと来るわね。もう閉めちゃおうかー!』

ナミさんがCLOSEのサインを持ってドアに向かった時だった。


ものすごい光と音!! 雷だ!!



カフェが雷に打たれたかのような衝撃だった。

近くに落ちたのか、停電してしまって店内は真っ暗。




「ナミさん?」 姿が見えない。

ドアのほうに近づくとしゃがんでいるナミさん。

「ナミさん?」声をかけるけど、小さく震えて座り込んだままだ。




「だい・・・じょう・・ぶ?」


ナミさんの前にしゃがみ込むと小さな子どもみたいだ。

本気で怖がってる…。



「ねぇ、ナミさん?」覗き込むと…泣いてる。

どうすればいいんだーと思っていると



『大丈夫…大丈夫だから…』

ナミさんは小声で言っている。



呼吸がおかしい。


俺は思わずナミさんの手を握って

小さくなったナミさんを覆うように抱きしめた。




かなり時間がたった・・・ような気がする。




その間にも雷は何度も鳴って、震えが止まらないナミさん。




よほど雷が苦手なんだろう

俺の手をぎゅーっと握って…耐えてる。





電気が復旧したようで、店内が明るくなって音楽が流れ始めた。






はっとしたように俺のほうを見て


『ごめん、ありがとう…もう大丈夫。』と言ってナミさんは立ち上がった。

「ぜんっぜん大丈夫じゃないじゃん。顔、真っ青!」



『まいったなぁ…変なところ見せちゃって…ごめんね

とりあえず、今日は閉めようか』


そういってナミさんはサインプレートをドアにつけた。

別人→←ごめんね



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作者名:miel | 作成日時:2018年1月29日 17時

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