moonlight2 (ページ18)

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「先生はこのこと知ってるの？」
『詳しくは話してませんけど...』

「そうか、よかった。先生が知ったら...いや、なんでもない」

友達にも元同僚にも誰にも教えていなかったのに
ここを突き止めたことがシンプルにすごいなと思ったけど
彼の言葉が少し気になった
何かあるのかな？

シンジさんが持ってきてくれたお菓子を
みんなに配って回ると

ほとんどの人は喜んだけど

センター長だけ

「おれはいいや」

と言って受け取ってくれなかったし、何か機嫌悪そう

もうすぐ本社出社日だからかな？

「どう？元気にしてる？」

定期的にかかってくる叔母からの電話

『大丈夫！あ～そういえばシンジさんに会った』
「どこで？」
『こっちで...探して訪ねてきてくれたの』

叔母には田舎で住み込みの仕事をしていると伝えていた

「そう...悪い人じゃないけど..気をつけてね」
『そんな心配することないよ』

「体に気をつけるのよ、またね」
『叔母さんもね』

前に来てくれてから間もないのに
シンジさんはまた訪ねてきてくれた

今度はおしゃれな服を持って

「女の子はおしゃれしなきゃ」

シンジさんはカフェでお土産の洋服を見せてくれた

どれも素敵だったけれど
猫たちの世話をするには綺麗すぎて
タンスの肥やしにしかならなさそうだ(笑)
カフェ出勤していた鍵子さんは
やたらシンジさんを威嚇して
ご機嫌斜め

『鍵子さん...大丈夫ですよ』

抱き上げても鍵子さんは不機嫌なまま
武闘派の鍵子さんがシンジさんに
飛びかかってもいけないから
ずっと抱いていた

「鍵子～部屋に帰る時間だよ」

センター長が迎えに来た

センター長の声を聞くなり鍵子さんは
たたっと私の元を離れてセンター長の方に走り
肩の上まで一気に駆け上った

「あの猫は彼とAちゃんには懐いてるんだ」
『センター長ですから...一緒に居るのが長いからですかね～』
「そうか...」

シンジさんがセンター長を見る目つきが
何かすごく嫌だ

『いい人なんです』

たぶん、いやホントにいい人だと思う
だからそんなふうに見ないで欲しい

シンジさんといる時みたいに緊張しなくていいし
(あ、多少はするけど...仕事の時とか？)

なんとなく気が楽で居心地がいい人なの
だからおねがい
そんな目で見ないで