検索窓
今日:15 hit、昨日:8 hit、合計:20,488 hit

31 ページ31

ソクミンが島に帰っていき

センターのWIFI工事も終わった

スタッフみんなが一斉につないでも問題ないくらい

いい環境が整った

もちろんカフェにたくさんお客さんが来ても大丈夫


よしよし



だけど・・・Aさんは特に反応していなかった

え?WIFIが激弱なのがいやだったんでしょ?

もう少し喜んでも‥‥いいんじゃ...ない?

WIFI以外なら何が問題なわけ?



昼間ディノが来たときに

おばあさんの畑でとれたという野菜を置いていった

春の野菜がたくさんミーティングルームのキッチンにあふれた

カフェ担当が材料費が浮いたと喜んで持っていき

スタッフが数人持って帰っても

まだ野菜はたくさん残っていて

料理する術を知らない俺は途方に暮れた



気づくとAさんがいなくなっていて

彼女の居場所を知らせるようにキッチンからいい香りがただよう

そっとのぞくと何か作ってくれているようで
山盛りだった野菜は跡形もなく消えていた

しばらくして

『よかったら一緒に食べません?』と

彼女が呼びに来た

テーブルにあふれそうな野菜の料理と

具だくさんのスープ

「すごい」
『おいしいかわからないけど・・・』

「いただきます」
『どうぞ〜』


宅配の料理やインスタントのモノとは違って

できたての手料理は美味しかった

いつもふたりなのにそれぞれで食べていたけど

今日はふたりで同じものを食べてる

仕事以外で誰かと食事をするのは久しぶりで

心まで温かくなる気がした

「おいしい」
『よかったです』

本当に何を食べてもおいしかった

「ありがとう」
『え?』

「全部美味しいし あれだけの野菜使うの大変だったでしょう?」
『いえ...』

彼女はペコッと頭を下げた

「俺 料理できなくて」
『なんとなくわかります』

「片付けは俺やるね」
『ありがとうございます』

皿を洗い始めると
横にやってきたAさん

「あ〜 いいよ休んでて」
『ふたりでやった方がふたりとも早く休めます』

結局並んで皿を洗う

途中でAさんのスウェットの袖が落ちた

「あ!じっとしてて」

炊事用手袋を外して素早く横に一歩ずれて

彼女の後ろに立ち 袖を上げてあげると

くすぐったそうにAさんは首をすくめた

その日以来夕食はふたりで食べるのが習慣になった

この小説の続きへ→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

南無妙法蓮華経と唱えると万人が成仏できるから皆さんも唱えて - 素晴らしい作品ですね! (2023年5月1日 0時) (レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miel | 作成日時:2021年11月19日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。