moonlight (ページ30)

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トントントンドアをノックする音

こんな時間に？

センター長とソクミンさんしかいないから
どっちかなんだけど...

｢遅くにごめん、まだ起きてる？」
『センター長？』

ドアを開けると

「これっ...」

センター長が魔除けを持って立っていた

あ..飲んでる？

少しお酒の匂いとほほが赤い

『どうしたんですか？』
「君が持ってなきゃいけないモノでしょ？」

『あ～』
「俺は大丈夫だから...ありがとう返すよ」

『は...はい』

そっと渡された魔除けがキラッと光った

「悪い夢はこれが吸い取ってくれるからいい夢見て..」

私が受け取るとセンター長は両方の口角を上げた

「よし、おやすみ」
『おやすみなさい』

パタンと静かに隣の部屋のドアが閉まる

魔除けはパパを亡くした事故現場の様子がひどくて

眠れなくなり、寝てもうなされている私に

叔母がくれた物だった

１人では眠れず叔母の側で眠ったあの日々

どれだけ泣いても涙は涸れないことを知った

この魔除けの意味.‥センター長知ってたんだ

もう悪夢を見ることはないから私は大丈夫だけど..

センター長もポルターガイストじゃないから
必要ないか(笑)

戻ってきた魔除けを窓際にかけた

叔母と一緒に居たときより

公園で寝ていた頃より

ここに来てからしっかり眠れるようになって

体調もいい

もうすぐ魔除けも必要なくなるかも知れない