慣れないこと 〜JS〜 ページ20
Aを置いてマンションを後にしたけど
やっぱり気になって戻ってきてしまった。
107号室だったな
ドアノブに手をかけると、開いた
そっと中に入って様子をうかがってみる。
玄関にはAの靴と
もう一つ、大きな男物の靴。
やっぱり彼に会いに来たのか
広くもない部屋だから会話が全部聞こえてしまう。
『だめだよ、勝手に入ったら。家族でも…弟でも』
なんだ、相手は弟!
「なんで〜、今まではよかっただろ?突然どうしたの?」
「男でもできた?」
弟、なかなかしぶといな
車の中で眉間にしわを寄せてたAの顔がよみがえる
次の瞬間
「A〜まだ?待ってるんだけど!」
叫んでしまってた自分にびっくりした。
『ジスさん?』
あわてて玄関に来たAと
後ろからやってくる大きな男の子
「誰?」
弟くんがぶっきらぼうにAに尋ねる
『あ えっと… 』
「ホン・ジスです。よろしく」
握手しようと出した手を無視して、弟くんは俺をにらんだ。
『ジスさん、弟のミンギュです。ほら、ミンギュ・・・挨拶!』
Aがつついたけれど
無言で僕を上から下まで睨んで奥に入っていくミンギュ君。
「用は終わった?」
『もう少し…です』
「そう、じゃぁ車で待ってる」
『はい』
部屋を出て車のシートに戻ると
背中が汗びっしょり
心臓も音が聞こえそうなくらいバクバクだし…。
何やってんだ、僕は。
人の部屋に勝手に入ったり、話を立ち聞きしたり
慣れないことなんてするもんじゃない
すごく疲れたから、早く家に帰りたいな。
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作者名:miel | 作成日時:2018年4月12日 12時